ソフトバンクは11日の日本ハム戦(みずほペイペイ)に3―1で競り勝ち、5連勝を飾った。貯金を今季最多を更新する「27」とし、2位とのゲーム差は今季最大の「4」に拡大。有原、モイネロ、大関の先発3本柱を立てて理想通りにスイープを決めた。

 初回に万波の先制ソロでリードを許したが、連覇を目指す王者は慌てなかった。3回に近藤の適時二塁打で追いつき、4回は牧原大のタイムリーで勝ち越し。7回は代打・中村晃の適時打で相手の戦意をそいだ。この日は孫正義オーナーの68歳の誕生日。強さもビジネスも「世界標準」を求める総帥に、首位攻防3連戦スイープという最高のプレゼントを届けた。

 パ・リーグの覇権は実質上位2強の争いで、優勝マジックは最短14日にも点灯する状況。グラウンドで火花を散らすホークスとファイターズだが、国際的なブランド力でもしのぎを削るライバル同士だ。

 すでに最終調整に入っているが、ソフトバンクは来春に「台湾遠征」を計画している。台湾側からの継続的な要請もあり、2026年WBCに臨む台湾代表との強化試合の相手として渡台し、CPBLの人気球団である中信ブラザーズとの練習試合も組まれる予定だ。

 台湾遠征は、国際的ブランド力を高める絶好の機会と言える。国内市場の縮小が避けられない中で海外市場を開拓し、チーム強化のために必要不可欠なアプローチだからだ。今、台湾の若年層で圧倒的人気を誇るNPB球団は日本ハム。世界的スターとなった大谷翔平(ドジャース)らを輩出したチームは、かねて台湾球界と友好関係を築いてきた先行投資が結実する形で、有望選手らが〝意中の球団〟としている。

 この日、NPB初先発を果たした台湾の至宝・孫易磊投手(20)は一昨年オフにファイターズ入り。近年、有望株の多い台湾球界でも屈指の逸材とされる右腕を獲得したインパクトは絶大だった。

 人気面で後塵を拝す中で、WBC直前に台湾代表と現地で戦う意義は計り知れない。事情に詳しい球界関係者も「ソフトバンクにとっては、野球熱の高い台湾でマーケットを拡大するチャンスであり、有望株への訴求力も高まる」と強調。メジャー球団も台湾に熱視線を向ける中で、人材の獲得競争において「NPBならソフトバンク」というブランドを構築するきっかけになり得る。

 将来的にNPB公式戦を台湾で開催する青写真も描いているホークス。ペナントも、ビジネスも勝ち続けるために水面下で壮大なプロジェクトが進行している。