記録達成まで、まさに紙一重だった。6日(日本時間7日)、シティ・フィールドで行われたガーディアンズ対メッツ戦は歴史的快挙が生まれる寸前まで進んだ。ガーディアンズの先発マウンドに立ったギャビン・ウィリアムズ投手(26)が、あと1人でノーヒットノーラン達成という場面で、まさかの一発を浴びたのだ。

 チーム初安打となる〝意地の本塁打〟を放ったのが、メッツの主砲フアン・ソト外野手(26)だった。4点を追う9回二死で打席に立ったソトはカウント1ボールからウィリアムズの2球目、156キロ直球を完璧に捉え、センターに26号ソロを突き刺した。場内がどよめき、ウィリアムズはその場で天を仰いだ。試合はガーディアンズが4対1で勝利したが、ガーディアンズ26歳右腕の偉業達成は幻と消えた。
 
 スペインメディア「マルカ」の米国版は9回に意地の一発を放ったソトについて「ホームゲームで意地の一発を放ったとはいえ、彼は永遠に記憶される〝悪役〟となった」と皮肉交じりに報道。8回2/3を無安打、126球で奪三振6。完全に抑え込んでいた右腕が最後の最後に屈したのが、このドミニカの天才打者だった。

 実はこの一発、ソトにとっても意義深い一本だった。ヤンキースからメッツに移籍した今季は打撃不振で批判を浴びることも多く、打席での姿勢が問題視されることもあった。それでも26本目の本塁打を放ち、相手投手の偉業達成を阻止したことであらためて存在感を示した格好だ。

 ガーディアンズのスティーブン・ボート監督(40)はウィリアムズについて「(投球数は多かったが)彼ならいけると信じていた」と続投を決断。その〝賭け〟は成功寸前までいったものの、結局無残な形で失敗に終わった。ちなみに1981年のレン・バーカーの完全試合以来、ガーディアンズはノーヒットノーランから見放され続けているという。

 2025年のMLBでは、ここまで誰も達成していなかった「ノーノー」。最も近づいたウィリアムズの投球は、それでも称賛に値する。打たれたのが何かと話題を集めているソトという点も、この「劇的すぎる幕切れ」にドラマを加えていた。