かつての「浪速のアーチスト」が、阪神・佐藤輝明内野手(26)に〝金言〟だ。近鉄、中日などで活躍した中村紀洋氏(52)が4日、東京ドームで行われた「サントリードリームマッチ」にザ・プレミアム・モルツ球団の4番・一塁としてスタメン出場。本紙の直撃取材に応じた同氏は、ここまでキャリアハイの27本塁打をたたき出している虎の主砲にさらなる大台超えのための助言を送った。

 言わずと知れた「ノリ」が赤裸々に語った。中村氏は2022年から23年まで中日で打撃コーチも務めた理論派だ。現役時代は日米通算2113安打、404本塁打を誇るスラッガー。全盛期だった01年には46本塁打、132打点で55本塁打のタフィ・ローズ氏とともに近鉄をパ・リーグ優勝へと導いた。そんな同氏から見ても、佐藤輝の存在は〝名球会のメガネ〟にかなっているようで「楽しみなバッターやね」と語るなど人知れず成長を見守り続けている。

「サントリードリームマッチ」に出場したアレックス・ラミレス氏(右)とツーショットに収まる中村紀洋氏
「サントリードリームマッチ」に出場したアレックス・ラミレス氏(右)とツーショットに収まる中村紀洋氏

 その上で現在、プロ入り初の30本塁打を目前に控える虎のスラッガーに対し「とにかく雑にならんこと。今は状態がいいでしょうから、タイミングが合えばなんでもいけると思ってしまうと思う。その気持ちはわかるけど、そこで雑にならず、いかに丁寧にいけるか。ホームランを打てるボールなんてそうきませんから」と助言。その上で「しっかり見極めて四球の数を大事にしてほしい。(本塁打を)打てるボールをひたすら待つ。四球が増えると相手の攻めも変わってきますから」とも続けた。

 さらに、その「上」の40本塁打の世界に関しては「彼は今季、もう30本はクリアするでしょう。その上を目指すなら次のアプローチがある。今年の打ち方を土台とするならば、調子を崩したらそこに戻ってくるような基礎を覚えておくこと。毎打席の傾向を詳細にメモするなど、1打席を丁寧に記録する。目の前の結果を追いかけず、そういう行動をしっかりやれば、あとは一つひとつの技術をつまんで引き出しを増やしていく作業になる」と〝秘策〟を伝授した。

「今季は力が抜けた打ち方ができている。以前はホームランを狙いにいって、タイミングが外れると当てるような打撃が見受けられたが、今は違う。力が抜けていい状態を保てている。ただ、いつまでもそうとは限らない。相手も崩すために研究してきますから」(同氏)

 現役時代は「全打席でホームランを狙っていた。ホームランの打ち損じがヒット。状況にもよるけどね」と豪語していた中村氏。希代のスラッガーのさらなる成長、そして次代のスーパースターの誕生を求める声には魂と熱が込められていた。