新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」1日高松大会のAブロック公式戦で、上村優也(30)が棚橋弘至(48)から4勝目を挙げた。来年1月4日東京ドーム大会で引退する棚橋の〝後継者〟としての期待も集める上村だが、目指すのはあくまで唯一無二のレスラー像。現段階でただ一人、棚橋の引退試合の相手に名乗りを上げている真意とは――。
終盤の激しい打撃戦を制した上村は、両腕を捕らえて必殺のカンヌキスープレックスの体勢に。棚橋がヘッドバットを連発して逃れようとしても執念でクラッチは離さず、一気にさく裂させて3カウントを奪取。試合後のリング上で「棚橋弘至に勝った今、俺はどんどん昇っていく。上村優也は、新日本プロレスの太陽だ!」と力強く宣言した。
新世代戦士の中で「太陽」を名乗り6月からは正式に本隊の一員となった上村は、来年引退を控える棚橋の後継者に推される機会が多い。しかし当の本人は「若手のころから『棚橋さんの若い時に似てるね』って言われることが多くて。でもそう言われてもうれしくないんですよね。どう見るかは周りの人たちの自由ですけど、僕は僕で違った理想のプロレスを作っていきたいので」と言い切り、その意識は皆無だ。
2021年6月後楽園大会で棚橋とのシングル戦に敗れた後のリング上では「お前、エースになれるよ」と声をかけられた。期待の表れ、最大級の賛辞と分かっていても、受け入れることはできなかった。「すごく悔しい気持ちが強かったですね。僕は棚橋弘至の枠に収まりたくないというか、棚橋さんが思うエース像にはハマりたくないという思いがあって。それは今もありますけど」と振り返る。
誰かの〝後釜〟は願い下げだからこそ、尊敬する棚橋を超えなければならないという使命感があった。上村は開幕前からG1優勝後の青写真として、IWGP世界ヘビー級王座(現王者はザック・セイバーJr.)を奪取した上で棚橋の引退試合で対戦するプランを披露していたが、棚橋に勝った今もその思いは変わらない。「誰も名乗り出ないのであれば、僕がIWGPを取って、最高のシチュエーションで棚橋さんの引退試合の相手をしたいです。東京ドームのメインイベントの棚橋弘至の強さを体感したいんですよね。一番強い状態の棚橋さんと戦いたいんです」と、千両役者の棚橋を東京ドームのメインで破ってこそ真の〝エース超え〟だと主張した。
「昔、棚橋さんが『藤波(辰爾)さんを独占します』みたいに言ってましたけど、僕が棚橋弘至を独占したいですね。また戦うのはもちろん、組んでもいいと思いますし」。新日本を支え続けてきたエースの最後のG1を制するのは、新日本の未来を照らす新しい太陽だ。












