2025年6月21日、台湾で日本酒ファンの熱気が渦巻いた。この日は京都で毎年開催されている「松尾大社 酒―1グランプリ」の台湾版、「SAKE ONE in TAIWAN(酒―1グランプリ)」が開催されたのだ。酒―1はプロではなく、愛飲者によってグランプリを決めるコンペティション。会場には参加蔵元26社、342名のゲストが集結し、日本酒の魅力に酔いしれた。また松尾大社の正式参拝の様子や、権禰宜が語る神社と酒の歴史に関する動画が流され、日本文化の奥深さに触れる神聖な時間にもなった。
イベントを主催したのは、ジャパン・サケ・アソシエーション台湾校の校長で、「和心清酒教育」の創設者でもある林科成(リン・カセイ)さん。実行委員長も務める林さんは、台湾での日本酒普及活動歴8年のスペシャリストだ。
今回の来場者は男性59・1%、女性40・9%と、男女ともにバランスよく参加。年齢層も20代19%、30代36%、40代34・2%と、若い世代の支持の高さが際立った。日本同様、台湾でも日本酒は若者を中心に人気が右肩上がりのようだ。
参加者からは、「普段手に取らない銘柄を試飲できた」「日本酒の奥深さを再発見した」「松尾大社の映像で、本格的な日本文化を体感できた」など、喜びの声が続出。人気の酒蔵、酒を決める投票企画では参加者の一体感も生まれ、イベントは大いに盛り上がった。
気になる人気の酒蔵の順位は1位高千代酒造(新潟)、2位三千櫻酒造(北海道)、3位台雲酒造(島根)、4位上川大雪酒造(北海道)、5位重家酒造(長崎)となった。また人気の酒の第1位には、京都の酒―1でもおなじみの「萩の鶴 メガネ専用」(宮城・萩野酒造)が躍り出た。林さんによると、台湾では「従来人気の高かった香り豊かな吟醸香タイプから、生原酒、甘酸っぱいタイプ、低アルコールへと好みがシフトしている」という。今回はそれが顕著に出た結果となった。
林さんは今後について、「教育・交流・観光の3本柱で、台湾と日本の日本酒文化をつなげていきたい」と語る。「国酒から国際酒へ」――日本酒の新たな挑戦は、今まさに海を越えて広がっている。













