いい意味で〝肩透かし〟は正解だったか。日本ハムは21日の楽天戦(楽天モバイル)に2―0で快勝し3連勝。前半戦を貯金21での首位ターンを決めた。そんななか新庄剛志監督(53)の〝予告〟を巡り、チーム周辺が一時騒然。ドラ1ルーキーの先発デビューの発表だったが、さまざまな臆測が飛び交ったことで指揮官の〝唯一無二〟ぶりが改めて浮き彫りとなった。
注目を集めたのは指揮官の20日の楽天戦後の一言だった。先発・加藤貴の好投や清宮幸の一発などで日本ハムが快勝。その試合後とあって、新庄監督は気分よく報道陣との取材に応じると思われていた。
だが指揮官は待ち受ける報道陣を見るや否や、「明日話したいことがあるから。今日は選手に聞いてあげてください。お願いします」とだけ言い残し迎えの車へ直行。不敵な笑みを浮かべながら球場を後にした。
この指揮官の意味深とも言える不穏な言動に、報道陣やチーム関係者に緊張が走った。
普段でも新庄監督はチーム大勝時や大敗時などは取材対応を行わないことはある。ただ、その場合は必ず広報を通じてコメントを残すのが〝新庄流〟だった。そんないつもとは違うこの日の指揮官の動きに一部メディアや球団関係者は「自身の進退を含め何か重大な発言があるのではないか」と勝手に推測した。
さらに新庄監督の発言が報じられると野球ファンもこの情報に過敏に反応。一時SNSなどでは参議院選の選挙速報の裏で「新庄さん、監督を辞めるのか」、「絶対に(監督を)辞めないで」などとさまざまな臆測が飛び交う「カオス状態」に陥ってしまったのだった。
だが、新庄監督のこの事前予告。実際は「ドラフト1位ルーキー・柴田獅子投手(19)を後半戦初戦(26日、ロッテ戦)に先発させる」というもの。自身の進退や24日にコーチとして参加するオールスター戦なども一切関係がなく、あらぬ臆測がいつの間にか一人歩きしてしまっただけの「デマ」だったのだ。
新庄監督もこの大ごとになってしまった今回の予告には動揺を隠せないようで、21日の試合前には「(一部メディアが)重大発表とか書いてましたけど、重大発表とは言ってないですから」と苦笑い。「まあまあ、僕の中では重大発表ではありますけど…」と飛んだとばっちりにより弁明を余儀なくされてしまったのだから不本意だったに違いない。
とはいえ、今回の新庄監督の「明日話したいことがある」発言。周囲はおおむね好意的に受け止めた。その理由をある球団関係者がこう話す。
「新庄さんは現役時代の06年4月の試合中に突如自ら引退を発表したぐらいの人ですから。報道陣や関係者、ファンが今回の発言で監督の去就等を疑ったのも無理はないでしょう。ただわれわれとしては今回の一件で改めて監督に長くチームの指揮を執ってもらいたい思いが強まりましたし、ファンの間でも新庄監督の手腕を評価したうえで来季以降もチームを率いてもらいたい思いが募ったようですから。その意味では今回の〝肩透かし〟はチームにも周囲にもプラスになったはず。新庄監督にしてみれば本望ではなかったと思いますけどね」
たった一言の意味深発言で周囲を騒然とさせてしまう新庄監督。やはり生粋のスターは日本ハム、球界に欠かせない存在であることは間違いなさそうだ。












