ソフトバンクは交流戦を12勝5敗1分けで終え、6年ぶり9度目の優勝を果たした。小久保裕紀監督(53)は山川や近藤など主力を欠いた一方、柳町らの躍動で勢いを持続。交流戦Vの要因、27日から再開するリーグ戦のカギは何か。球団OBで本紙評論家の加藤伸一氏が占った。

【加藤伸一・インハイアウトロー】交流戦をモノにできた要因は投手陣の安定にある。交流戦の防御率は阪神に次ぐ2・20。先発陣が安定していたことに加え杉山、藤井、松本裕といった救援陣の奮闘が大きい。オスナが不調により守護神の座を外れた中でこの3人が見事に役割を果たした。ホークスは打つ方が目立ちがちだが、シーズンで見ても投手力が安定しているチームが上位にくる。リーグ戦再開後もいかに最少失点で試合をつくれるかが重要となる。

 現在は守護神を固定せず試合ごとに9回を任せているが、これを無理に変える必要はない。杉山も藤井もクローザーとしての実績はなく、今が抑えとしての実績を積む過程の時期。杉山がこのまま実績を積んでいけるようならば来年守護神を任せても面白い。

 現状、オスナは球の力が本来のものではなく、復調はそう簡単ではない。昨季の後半くらいからこの状態が続いており1、2か月で復調とは考えづらい。代役もいるのだからギャンブルする必要はない。6回やビハインドの楽な場面で投げるところからスタートし、復調すればラッキーくらいの心持ちがチームとしては必要だ。

 オスナのみならず、戦線離脱している山川、今宮、柳田らは体調を万全にし、なおかつ調子を上げる必要がある。一軍に上がってくる重圧もかかる。彼らありきではなく、今のレギュラーがベストと考えることも必要だろう。

 リーグ戦再開後のキーマンの名前を挙げることはなかなか難しい。チームから抜けて特に痛手なのは投手ならモイネロ、野手なら柳町だが、個人的には特定の選手よりも小久保監督の選手起用にかかっているように思う。今の若手の勢いを取るのか、シーズン終盤の優勝争いのプレッシャーがかかるところでベテランの経験、実績を取るのか。こればかりは時期も含めて難しい選択だが、この判断が優勝できるかどうかの分かれ道になるかもしれない。シーズンはもうすぐ折り返し地点で残り半分。試用期間はもう終わりだ。小久保監督の〝見極め〟が優勝へのキーポイントになるのではないだろうか。

(本紙評論家)