自身への悪評も〝シャットアウト〟した。西武・今井達也投手(27)が17日のDeNA戦(横浜)で球団新記録となる「17奪三振」2安打完封勝利で6勝目(2敗)を挙げた。チームも3―0の完勝劇で3連勝。今季最多の貯金「7」として交流戦も8勝5敗の2位につけ、優勝も夢ではなくなってきた。
ライオンズの面々を勢いづけたのが、右腕の奪三振ショーだ。前回から中9日の登板で快投した今井は「最後の9回表の攻撃で2点を追加してくれたので、僕も『もう1回、頑張ろう』という気持ちになりました」と味方打線に感謝。敵地に駆け付けた獅子党にも「もちろんチームはリーグ優勝を目指していますんで。ファンの方も〝リーグ優勝してくれ〟と思っていると思うんで、引き続きシーズン終了まで全力で投げたいと思います」と述べ、現場との一体感を〝演出〟した。
名実ともにエースとなった今井には、今や称賛の声ばかりが相次ぐ。発する言葉や実際の行動は自分のことよりも常に「チーム」や「仲間」、そして「ファン」を念頭に置いたものが先に立つ。
人間的な成長が投球技術の進歩も促しており、この日は17奪三振の自己記録更新よりも「無四球」完封勝利を何よりも喜んでいた。
その一方、数年前まで今井に向けられていた言葉の多くは、野球ではなく容姿についての批判ばかりだった。
2023年6月の西武ホールディングス株主総会では、ある株主が「両エース(高橋、今井)の見苦しい髪形は本人たちとしては獅子をイメージしていると思うんですけど、スポーツ選手としてはどうかなと思う。食事がまずくなる。スポーツ選手としてどうかと思う。球団として注意できないものか。それとも個性として見過ごしているのか」と苦言。その〝ロンゲ〟をやり玉に挙げられ、批判されていた。
髪が若干短くなったとはいえ、今もその風貌とヘアスタイルは大きく変わってはいない。変わったのは世間の見方。昨季2度目の8連敗を喫した際、最後の打者となった源田を抱きかかえ一緒に涙した先発投手としての振る舞いや、自身初のタイトルとなった奪三振王獲得は評価を大きく一変させた。
そして今季も12試合に登板して11戦でハイクオリティースタートをマークする無双投球――。今井自身がその雑音を結果と言動で、ねじ伏せて見事に〝完封〟したのだ。この2年間の急成長こそが、現在のリアルな「今井評」に凝縮されている。












