国民民主党は11日、参院選比例代表に出馬を予定していた山尾志桜里元衆院議員の公認取り消しを決定した。前日の会見で、過去の不倫騒動に具体的な言及を避けたことで再び炎上し、玉木雄一郎代表もかばいきれなくなった形だが、事態収拾とはならない雲行きだ。

「精いっぱい答えていた姿勢は誠実に取り組んだと思うが、明確に答えられなかったのも事実。全国の仲間、支援者から十分な理解や信頼を得られるに至っていない判断で、今回の決断に至りました」と玉木氏は苦渋の表情で、山尾氏の公認を取り消した理由を話した。

 地球5周分のガソリン代計上やJRパスの私的利用、9歳年下のイケメン弁護士との不倫疑惑の説明から逃げ続けていた山尾氏を参院選に擁立した途端に支持率は急降下。出馬会見を開かなかったことで、都議選や参院選を控えた候補者たちは街頭で罵声を浴びせられることもあり、公認見直しを求める声が全国から殺到していた。

「とにかく玉木氏が山尾氏に甘く、2人の特別な関係が取りざたされたほどです。山尾氏の会見を受け、さらに批判の声が膨れ上がり、玉木降ろしにも発展しかねない状況になったことで、玉木氏もようやく尻に火がついたのでしょう」(野党関係者)

 玉木氏は「(判断が)遅かった、別の対応があったのではないかと言われるが、真摯に受け止めたい。私にも責任がある」と非を認めたが、国民民主は昨年の衆院東京15区補選でも元フリーアナウンサー女性の公認取り消し騒動があったばかりで、ガバナンス不全で片付けられる問題ではない。

「候補者は選挙に出るために仕事を辞めたり、環境を整え、お金も工面しないといけないので、公認取り消しはよほどのことがない限りできません。山尾氏も会見で『公認取り消しは想定していない』と話し、反省の姿勢だけを見せれば乗り切れるとタカをくくっていたのでしょう。内容次第では取り消しもあると分かっていれば、山尾氏の対応も変わっていたかもしれない。会見翌日の取り消しで恥をさらしただけ。今後、敵対して国民民主や玉木氏が批判される可能性もありますよ」(同)

 玉木氏はこの日、山尾氏に公認取り消しを伝え「反応は相手があることなので控えます」と言及は避けた。「再チャレンジする場所を用意するのは政治の仕事」とも話し、衆院選の選挙区などにあてがう可能性はあるが、今回の事態で一筋縄にはいかない。山尾氏はショックが大きいのかこの日、SNSなどでコメントを発表することはなかった。

「山尾氏を強行出馬させる最悪の事態は避けられたものの、玉木氏の英断と評価されることはないでしょう。支持率がV字回復する雰囲気はとてもなく、一度失った信頼を取り戻すのは至難の業ですよ」(永田町関係者)

 世論を甘く見た玉木氏は大きなツケを払うことになりそうだ。