「セ・パ交流戦2025」は開幕から2カードを消化し、セの21勝14敗(9日時点)。2010年代まではポストシーズンも含めてパがセを圧倒する時代が続いたが、ここ数年はそのトレンドにも変化が表れつつある。

 セパの〝実力格差〟が顕著だった頃、両リーグ最大の差異である指名打者(DH)制の有無こそが原因であると指摘されてきた。巨人前監督の原辰徳氏(66)はセ・リーグへのDH制導入論者の親玉格。12球団監督会議をはじめ、さまざまな場で改革を訴えてきたことは記憶に新しい。

 反対派の筆頭は阪神前監督の岡田彰布氏(67)だろう。「醍醐味がないよな。監督が暇でやることないやんか」。試合中盤から繰り出すゲームの流れを読み切ったダブルスイッチや、相手チームの「9番・投手」に代打を送らざるを得ない状況を意図的につくりだす采配などで、ファンや評論家をうならせてきた。

 プレーヤー目線ではどうか。セパ複数球団を渡り歩き、エース格として一時代を築いた球界OBは「そりゃまあ、自分の勝敗や成績にも直結しますから、打席に入る時は頑張りましたよ」と語る。この元投手は打撃も得意としていたが、こんな本音も打ち明けた。

「それでもね、バントとかに失敗したら周囲からすごく叩かれるし…。塁に出たら出たで結構疲れる。次のイニングの投球にも影響が出ます。だったらDHで本職の野手に打席に立ってほしいなと思っていましたね。彼らだって出番が増えるわけですし」

 本業の投球だけに専念できれば、パフォーマンスはより向上する。「稼いでナンボ」のプロの世界だけに、DH制の存在は選手にとってはありがたいものなのだろう。

 MLBのナ・リーグも2022年からDH制を導入。高校野球でも来春のセンバツから同制度の採用が検討されている。韓国、台湾、メキシコなども含めて「世界でDH制を導入していないのはNPBのセ・リーグだけ」と言われる時代が来てしまった形だ。

 世界標準に合わせるのか…。あるいは唯一無二のリーグとして〝伝統〟を死守していくのか。交流戦の行方とともにDH制の今後も注目される。