少子化“とて”すべての学校が等しく危機にあるわけではない! 流通ウォッチャーの渡辺広明氏(58)とともに通信制サポート校「渋谷女子インターナショナルスクール」(シブジョ)の校長、赤荻瞳氏を取材。ギャルのポジティブさとポテンシャルは2025年の今なお健在だった。
第2次ベビーブーム(1971~74年)には年間200万人以上が生まれていた日本だが、その後はじわじわと減少に転じ、2016年には初めて100万人を下回った。その後も少子化に歯止めはかかっておらず、来月公表される24年出生数は過去最少の約65万人になるのではないかとの推測もある。
子供が減れば学校も減る。世の流れとともに経営危機にのみ込まれる学校法人も出る中、この10年で生徒数を約1・6倍に増やしたのが通信制高校だ。24年度の文科省の調査によると、通信制高校に在籍する生徒数は約29万人で高校生全体の約9%を占める。現役高校生の10人に1人は通信制高校に通っているというワケだ。ちなみに創部3年で今年のセンバツに初出場初勝利を挙げたエナジックスポーツ高等学院(沖縄県)も通信制高校だ。
通信制高校に通う生徒の増加に伴い、学習支援や生活支援、進路指導を行い、卒業をサポートする「通信制サポート校」の開校も相次いでいる。23年4月に開校したシブジョもその一つだ。サポート校は学校教育法で定められた「学校」ではないため、法律上は学習塾と同様、民間の教育支援事業者という扱い。
とはいえ17歳で高校中退、最終学歴中卒のギャル校長は異色の存在であることは間違いない。「私は生まれた瞬間からギャルでした!」と明るく語る赤荻氏は、なぜ校長になったのか。
「小学生ぐらいに『egg』という雑誌に出合って、私の目指すものはギャルなんだって気づいたんです(笑い)。埼玉出身なんですけど、ギャルJKに憧れて、目指していた高校に通うために(中学時代は)すごい勉強して偏差値10ぐらい上げました。それで入れたのは良かったんですけど校則が厳しくって、意外とギャルできないなと思って…」
放課後は“ギャルの聖地”渋谷へと繰り出す生活を送っていたが、両立が難しくなり1年ちょっとで高校を退学したという。
「そこから約10年間はほぼ毎日渋谷にいましたね。18歳までギャルサーの活動していて、その後はそこで知り合った先輩に広告代理店を紹介してもらって若者向けのコスメのプロデュースとか仕事をするようになりました。勤め先が『egg』編集部とつながりを持っていたことで、21歳の時に(14年から)休刊していた『egg』をウェブ版で復活させないかという話が上がって、『私にやらせてください!』って手を挙げました」
編集長に就任後、「egg」はユーチューブやインスタグラムを中心にウェブ版として復活。紙媒体が縮小する中、19年5月には雑誌として復刊を果たした。そんな奇跡の背景にあったのはギャルを巡る多様性への理解だった。
「今のギャルって90年代の黒ギャルみたいに均一じゃないんですよ。全日制高校に通いながら黒髪でギャルをやってる子もいますし、メークもファッションの幅も広がったので、もう見た目じゃなくてマインドでしかギャルと定義できない。ギャルが絶滅したって思ってる方もいるかもしれませんが、ギャルの精神的な部分は脈々と受け継がれています」
現在、「egg」の発行は半年に一度、24年6月には小学生ギャルを中心とした姉妹誌「KOGYARU」が創刊している。赤荻氏は22年に編集長を“卒業”したのち、会社が教育事業に参入するタイミングで今度は校長に立候補した。
「私は渋谷という街と仲間に育ててもらいました。でもやっぱりJKで何するかもすごい大事で、今度は校長として応援する側になろうと。ありがたいことに3年目の今年は35人が入学しました。やりたいことにチャレンジしてほしい。あとは仲間を大切に! 私は友達みたいな校長先生ですよ(笑い)」
シブジョはカリキュラムも英会話、SNS、動画クリエーティブ、メークとかなり特殊だ。「少子化だからこれから大変…」なんてネガティブさは1ミリもない。
「落ち込むのが面倒くさいですよね。落ち込んだとてって感じだし、自分の夢に向かっているなら失敗したとて勉強になればいいやっていう前向きさがギャル魂かも!」
【取材後記】私がギャルを認識した90年代、安室奈美恵に憧れるアムラーでしたが、その世代の女性がもうおばあちゃんになっていてもおかしくない。親子3代続くギャル文化ならばマーケットもあるし、商品開発目線でも非常に興味深い。
多様性を認めつつそれぞれの「ギャルらしさ」を求めて主体的に生きていくところに、とてもエネルギーを感じました。Y2Kがあったようにギャルが再び脚光を浴びるかもしれません。(渡辺広明)
☆わたなべ・ひろあき 1967年生まれ。静岡県浜松市出身。「やらまいかマーケティング」代表取締役社長。大学卒業後、ローソンに22年間勤務。店長を経て、コンビニバイヤーとしてさまざまな商品カテゴリーを担当し、約760品の商品開発にも携わる。フジテレビ「Live News α」コメンテーター。Tokyofm「ビジトピ」パーソナリティー。
















