卓球の世界選手権個人戦(カタール・ドーハ)、女子シングルスで銅メダルを獲得した伊藤美誠(24=スターツ)は〝親子鷹〟で有言実行を成し遂げた。

 昨年のパリ五輪は代表争いに敗れて失意に暮れるも「世界選手権シングルスでのメダル獲得」を直近の目標に掲げてリスタート。6度目の個人戦となった今大会は初戦から順調に白星を重ね、準々決勝では王芸迪(中国)に4―1で勝利を収めた。26日に成田空港へ帰国した際には「中国選手をしっかり倒さないと、メダルを獲得できないのが現状。それを成し遂げることができてうれしい」と感慨深げに語った。

 今大会はコーチをつけず、ベンチに入った母・美乃りさんとともに戦った。伊藤がおなかにいたころから卓球の実況を筒越しに聞かせるなど、英才教育を施してきた母の存在は大きなプラスになったとの指摘が出ている。ある卓球関係者は「いろんな経験をしてきた伊藤選手に求められる役割は昔と変わっている。コーチの技術的な話というよりも、お母さんのメンタル的なサポートが必要だった。それが結果につながったのでは」との見方を示した。

 そんな母と初めて勝ち取った世界選手権シングルスのメダルは一つの恩返しとなったが、ここがゴールではない。

「シングルスに励んでいたけど、女子ダブルスを再開してみたりとか、また新しい挑戦をいろいろしていきたい」と闘志は衰えていない。

 さらなる高みへ、伊藤の挑戦はまだまだ続く。