〝王国〟撃破のカギは――。卓球の世界選手権個人戦(カタール・ドーハ)の代表選手が26日、成田空港に帰国した。日本勢は4個のメダルを獲得。男子ダブルスでは戸上隼輔(23=井村屋グループ)、篠塚大登(21=愛知工大)組が金メダルの快挙を果たし、2028年ロサンゼルス五輪へ明るい兆しが見えた。前男子代表監督の田勢邦史氏(43=現Tリーグ琉球監督)が取材に応じ、五輪のテッペンを見据える上で同種目における〝サウスポー〟の重要性を説いた。

 男子ダブルスの日本勢で1961年の星野展弥、木村興治組以来、64年ぶりの優勝を飾った戸上、篠塚組は充実の表情で母国に降り立った。千葉県内で行われた記者会見で戸上は「素直にうれしいけど、実感がない。複雑な気持ち」と照れ笑いを浮かべ、篠塚も「メダル宣言をしていたけど、メダルを取れると思っていなかった。本当に夢のよう」と頬を緩めた。

 28年ロサンゼルス五輪は、04年アテネ五輪以来となるダブルス種目の復活が決まった。2人の活躍はパリ五輪でメダルなしに終わった男子勢にとっても朗報。リベンジを目指すにあたり、田勢氏は「間違いなくダブルスは左が重要だと思っている」と分析する。特に男子は、琉球のエース・篠塚、次世代のエース候補・松島輝空(木下グループ)と、実力のあるサウスポーがすでに2選手そろっている点がメリットだという。

 田勢氏は「上手な左が2人出てきたのでダブルスが非常に楽しみ。男子は今後、張本(智和=トヨタ自動車)、戸上、篠塚、輝空の4人が中心になってくると思うが、右2人、左2人になったので、今組んでいるダブルスが確定ではなく、ベストなペアリングを考えていくと思う」と日本は編成面で伸びしろがあると指摘。「他にも新しい選手がポンと出てくる可能性はあるけど、日本にとって非常に有利な状況になってきたというか、期待できる種目の1つになったと思う」と太鼓判を押した。

 今大会の男子ダブルスでは、中国勢が50年ぶりに表彰台を逃した。28年ロサンゼルス五輪での金メダル奪取へ、絶対的な存在だった中国の〝レベル低下〟は日本にとって追い風だ。王国のピーキング力には依然として警戒する必要はあるが、戸上は「五輪に向けて自信につながる大会になった。次の五輪で金メダルを目指して頑張りたい」と闘志を燃やす。今後ペアリングの変更があり得るとはいえ、男子勢にとって大きな自信につながるタイトルとなった。