【橘高淳 審眼(54)】引き続き2022年4月10日、ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ―オリックスの試合でロッテ先発・佐々木朗希投手が達成した完全試合についてお話をしたいと思います。8回を終えた時点で6―0とロッテがリード。先発した佐々木投手は無安打無失点、無四死球を継続し、18個の三振を積み重ねていました。
9回は球場内に異様な雰囲気が漂っていました。歴史的瞬間に立ち会えるのではないかという期待と緊張感。スタンドのファンの皆さんの心境はそんな状況でしょうか。しかし、私は球審としての職務をしっかりと遂行しようと、必死でゲームと向き合っていました。
9回、オリックスの先頭打者は紅林弘太郎選手に代わって代打・中川圭太選手。ここは空振り、ファウルでカウント2ストライクから3球目を打っての三ゴロでした。続く福永凌選手には代打・山足達也選手でしたが、初球を打って遊ゴロとなりました。いよいよあと1人です。完全試合ですから、最後の打者はおのずと9番打者ということになります。
ここは9番でスタメン出場していた宜保翔選手に代わって、本塁打王の経験もある杉本裕太郎選手が送られました。空振り、見逃しストライクでカウント2ストライクとすると、3球目のフォークで空振り三振を奪いました。ついに完全試合の達成です。通算3001試合に出場した私自身も、完全試合は初めての経験でした。
投球数は105球。19個を記録した三振のうち15個は空振り三振、4個は見逃し三振でした。全27個のアウトの内容は捕邪飛(1)、一ゴロ(1)、二ゴロ(2)、三ゴロ(1)、遊ゴロ(1)、中飛(1)、右飛(1)という内容です。
その後の記事や資料を見渡しても、佐々木投手のあの日の投球は記録ずくめでした。1試合の奪三振数では、1995年4月21日にオリックスブルーウエーブ・野田浩司投手が記録した「19」と並び日本タイ記録です。
連続打者奪三振記録の世界新記録である「13」という数字は57年7月23日の阪急ブレーブス・梶本隆夫投手、58年5月31日の東映フライヤーズ・土橋正幸投手が記録した9者連続を大幅に塗り替えました。
世界に目を向けても、MLBで70年4月22日にメッツのトム・シーバー投手、21年6月25日にフィリーズのアーロン・ノラ投手、同年8月11日にブルワーズのコービン・バーンズ投手、KBO(韓国プロ野球)では98年5月14日にヘテ・タイガースのイ・デジン(李大振)投手が記録した10者連続奪三振を抜き、ギネス記録にも認定されています。
佐々木投手はこの試合で22年シーズン2勝目、プロ通算5勝目、通算100奪三振を記録すると同時に、自身初の毎回奪三振を達成。連続イニング奪三振は21年10月14日のオリックス戦から続く歴代2位の34イニング…と書き切れないほどのレコードを野球史に刻んでいます。
スペースが足りませんね。佐々木投手のお話は次回にも続きます。












