阪神は20日の巨人戦(甲子園)に4―0で完勝して3連勝。貯金を今季最多の「7」として宿敵から、この日も容赦なく白星をむしりとった。伝統の一戦で8勝2敗と相性の良さが際立つ猛虎だが、チーム周辺からはついに「今の巨人はちょっと弱すぎる…」と心配の声まで上がり始める始末。投打で低調な好敵手の惨状は、阪神としてももろ手を挙げて歓迎できるものではないようだ。

 初回に森下の7号2ランと相手守備の失策で3点を奪い、終始優勢に戦局を支配した猛虎は2時間34分の短さでゲームセット。先発の才木が5安打2四球で完封勝利をマークし、今季4勝目を手にした。

 この日は対巨人3連戦の初日。テレビ解説を務めた掛布雅之氏、岡田彰布オーナー付顧問、小笠原道大氏や、試合前イベントに出席した能見篤史氏、上原浩治氏らTG両軍のレジェンドOBたちも球場に集結した。「伝統の一戦」が大いに盛り上がる雰囲気を醸し出していたものの、大物虎OBの一人は「正直言って、今はこちらが心配になるほど巨人の状態が悪すぎる。阪神のゲーム内容も決していいものではなかったのに」とこぼす。

 相手エース・戸郷の立ち上がりの悪さや敵失に助けられたとはいえ、終わってみれば12安打をマークした阪神も8残塁の拙攻が響いて4得点どまり。「率直に言って退屈なゲームだった。巨人の調子の悪さにこちらまで引きずられてしまった感すらある。こういう相手と試合をしていると、いずれこちらのチーム状態まで落ちてしまいそう」(別の阪神OB)と同情を通り越した辛らつな意見まで出てくるほどだった。

 西の老舗球団は今年で創設90周年。直接対決は昨季終了時点で888勝1127敗77分けと大きく負け越している東の怨敵が、決して甘い相手ではないことなど虎OBなら誰もが身をもって知っている。シーズン最終盤になって何度も手痛い大逆転V逸を許し続けてきたことは歴史が証明済みだ。それでもなお、主力を相次いで欠き飛車角落ちの手詰まり感を漂わせる巨人の窮状は虎サイドからしても寂しく映る。

 現役時代から打倒・巨人に人一倍燃えてきた藤川球児監督(44)は「自分のところもそうですが、ジャイアンツさんのことをあまり言うべきではない。常に自分たちのチームを見ることが大事になる」と冷静に長丁場のシーズンを見据える。本当の「伝統の一戦」は、まだこの先に待っているはずだ。