J1鹿島が9年ぶりのリーグタイトル奪還に向けて首位を快走している。〝常勝軍団〟復活へチームを引っ張るのは、エースFW鈴木優磨(29)だ。持ち前の得点力だけでなく、アシストやゲームメークでも力を発揮。さらに、プレー以外でもゴールパフォーマンスがたびたび話題を呼んでいる。元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)が、鹿島で存在感を増すストライカーを緊急検証した。

 ベルギー1部シントトロイデンから鹿島に復帰した2022年からコンスタントに結果を残しており、今季はさらにすごみを増している。ここまで4得点の決定力もさることながら、特筆すべきはチャンスメーク。新相棒となったFWレオセアラは得点ランキングトップの9ゴール、昨季苦しんだFW田川亨介が今季2ゴールと活躍しているが、その多くに鈴木が絡んでいる。

 名門を背負うエースについて、武田氏は「良くも悪くも個性が強く、自分を主張できるタイプ。プレーでは起点にもなるし、決定力もある。日本人というよりイタリア人みたいな強さ、鋭さ、激しさがある選手として見てきた。(サルバトーレ)スキラッチみたいな感じだよね」と指摘した。

 元イタリア代表FWスキラッチ氏(故人)はユベントスなどで活躍し、1990年イタリアW杯で6ゴールをマークして得点王となり母国の3位に貢献した。94~96年には磐田でプレーし、得点を量産。武田氏は96年にW杯得点王と磐田でチームメートになり、その迫力を目の当たりにした経験を持つ。

 かつての盟友であるレジェンドに例えるだけあって、鈴木への期待は大きい。「ゴールをたくさん取って誰にも文句を言わせないような結果を出してほしい。とにかく数字で示して、代表にも入ってくれたらいいね」

 森保ジャパンでは18年1月に選出されているが、負傷で辞退。その後は招集から遠ざかっているものの、圧倒的な数字と好調なチームへの貢献度などが加味されれば状況が変わるかもしれない。

 一方で、プレー以外の振る舞いでも話題を集めるのが〝優磨流〟だ。これまでたびたびパフォーマンスが物議を醸しており、直近では4月29日の横浜FC戦(ニッパツ)。得点後、相手ゴール前で突如片ヒジをつきながら寝そべるパフォーマンスを敢行。試合中に激しく競り合っていたDFンドカ・ボニフェイスに踏み付けられるなど波紋を呼んだ。元フランス代表MFミシェル・プラティニをほうふつさせるこの行動には、相手サポーターから大ブーイングが飛んだ。

 武田氏は「彼は素晴らしい選手。ストライカーとして評価しているからこそ、審判や相手が、良いと思わないようなことはやらない方がいいよね。そういうことで印象が悪くなるようだったら、もったいない」とアドバイスを送る。

 賛否両論あるが、こういった行為を含めて〝優磨劇場〟との指摘も多い。近年の日本サッカー界には珍しい強烈なキャラクターを持つストライカー。代表を含め今後の活躍の舞台が楽しみだ。