ボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(11日、東京・大田区総合体育館)で同級6位・井岡一翔(36=志成)の挑戦を受ける王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)が7日、都内で公開練習を行った。昨年7月に王座を奪って以来の再戦で返り討ちに自信を示すとともに、「私のアイドル」と尊敬するスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)が本場の米ラスベガスで勝利したことを祝福した。

 当初は昨年大みそかに予定されていたが、マルティネスが来日後にインフルエンザに感染したため延期された一戦。今回はアルコールでこまめに消毒し、練習場と宿舎の往復以外に外出はせず、この日は報道陣にマスク着用を義務付けるなど感染対策を徹底している。

 この日は南米出身らしく、情熱的なラテン音楽を流しながら調整。縄跳びでは俊敏な動きを見せ、サンドバッグ打ちでは素早くパワフルな連打を打ち込むなど調子の良さをうかがわせ、「ファンの皆さんを待たせてしまったが、体調は100%だ」と胸を張った。

 井岡に関しては「パワフルで経験豊か」と評しながらも、「私もパワフルで経験がある。1回目と同じように自分の技術を見せたい」と譲らず、「クレバーに戦いたい。井岡がクレバーで経験豊かだからだ。不用意なことはだめだ」と戦いをイメージ。井岡がアウトボクシングをするのではないか、との質問にはマネジャーが「それは想定内。いくつかのプランがある」と返答し、「我々は1戦目よりリベンジの方が難しいことをよくわかっている」と力説した。

 また、4日(日本時間5日)にラモン・カルデナス(米国)の挑戦を8回TKOで退けた井上について問われると「彼は私のアイドル」と明言。ダウンを喫しながらも逆転勝ちしたことを「やっぱりモンスターだった。倒れても立ち上がって彼の試合をした。試合を見てとても練習したと思った。それを祝福したい」と称賛した。

 現在はアルゼンチン唯一の世界王者であり、井岡からベルトを奪ったことで、1か月前には地元アルゼンチン・ブエノスアイレスのボカ地区に大きなマルティネスの壁画が飾られるなど注目されている。モンスターの勝利に刺激を受けて、母国にベルトを持ち帰ることができるか。