世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が〝世界一〟に返り咲く一方で、ボクシング界の重鎮が注目発言を行った。

 井上は元世界3階級制覇王者・中谷潤人(28=M・T)との防衛戦(2日、東京ドーム)で3―0の判定勝利を収めた。米国の権威ある専門誌「ザ・リング」(リング誌)は日本時間5日、パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じたランキング=PFP)を更新。井上が2年ぶりに1位の座に輝いた。

 一方で、リング誌は同じ日に「トップランク幹部のアラム氏とデュボエフ氏が、井上のフェザー級としての実力を疑問視」と題する記事を掲載。米プロモーター大手トップランク社の創業者ボブ・アラムCEOとトッド・デュボエフ社長の見解を伝えた。

 米国内の自宅で井上―中谷戦を観戦したというアラム氏は「本当に見応えのある試合だったし、両者とも全力を尽くしていた。現場にいないと採点は難しいが、115―113という判定には異論の余地はないだろう」と試合内容を評価する。

中谷潤人にパンチを浴びせる井上尚弥(左)
中谷潤人にパンチを浴びせる井上尚弥(左)

 会場のリングサイドで観戦したデュボエフ氏も「素晴らしい戦術的な試合だったし、両者が互いに深い敬意を抱いているのが伝わってきた」と両選手の健闘を称賛した上で、今後のキャリアについても言及。「井上がフェザー級に階級を上げ、中谷より体格的にさらに大きなWBO王者ラファエル・エスピノサのような相手と対戦しようとするかは定かではない。彼のキャリアの現段階において、それは良い対戦相手だとは言えないと思う。井上はおそらく122ポンド(スーパーバンタム級)が限界だろう」と指摘した。

 アラム氏も「井上が126ポンド級(フェザー級)に上がったとしても、あまり良い結果にはならないだろう」との見方を示した。かねてアラム氏は「私が今まで見てきた中で最高のファイター」と言い切るほど井上を高く評価。ただ、業界の重鎮として階級制であるボクシングの難しさを誰よりも知り尽くしており、発言は説得力を帯びている。

 次戦の対戦相手として世界スーパーフライ級3団体統一王者ジェシー〝バム〟ロドリゲス(米国)が浮上するなか、モンスターはどのような道を選ぶのか。