ボクシング・スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ(2日、東京ドーム)は4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が3―0の判定で挑戦者のWBA・WBC・WBO同級1位・中谷潤人(28=M・T)を破り、防衛に成功した。

 権威ある専門誌「ザ・リング」が定めるパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じたランキング=PFP)で2位の井上と6位の中谷。ともに32戦全勝の日本人同士による世界最高峰と言っても過言ではない大一番。日本ボクシング史上最多の約5万5000人と見込まれ大観衆の前で至高の技術戦が繰り広げられた。

 注目の立ち上がりは静かな距離の探り合いとなり体格で劣る井上が飛び込んでボディーを狙い、中谷がカウンターを狙う展開。ともにクリーンヒットはほぼなかったものの、紙一重でパンチを避け合うスリリングな攻防が続いた。

 8ラウンド(R)からは中谷が前に出て圧力を強めると、戦いは次第に激化。9Rには中谷の右アッパーが井上のアゴをとらえる。10Rに中谷はワンツーをヒットさせたが、その後に偶然のバッティングで眉間から出血した。

 11R、井上の強烈な右アッパーが中谷の顔面をとらえると、中谷は左目にダメージを負い、井上が次々と強打を浴びせた。それでも中谷はひるまず最終12Rは果敢に攻め込んだが、井上は華麗なディフェンスで着弾を許さず。最大4点差をつけて押し切った。

試合後、笑顔で健闘を称え合う井上と中谷
試合後、笑顔で健闘を称え合う井上と中谷

 2014年4月の世界初戴冠から圧倒的な戦いぶりを見せつけて日本初のPFP1位にランクされるなど長らく日本の第一人者に君臨し続けてきた井上。2020年11月の世界初戴冠以来、自身に匹敵する快進撃を見せて迫ってきた中谷との天下分け目の決戦で政権交代を許さなかった。

 試合後、中谷と笑顔で健闘をたたえ合った井上は、1年前の自身の対戦呼びかけに応じた中谷に対し「対戦を引き受けてくれた中谷潤人選手、今日はありがとうございました」と感謝。「今日は戦う前から言っていた、勝ちに徹する、今夜勝つのは僕ですという戦いを実行しました」と満足げに戦いを振り返った。

 続けて「皆さんもご存じの通り、気持ちの強いファイター、PFPランキング入りしている選手だからこそ勝ちに価値があると思います」。今後については昨年4試合、そして中谷戦のハードスケジュールをこなしたことから「すごい張りつめた去年から今日だったので少し休ませてください」と話すにとどめた。

 過去最強の相手を突破したモンスター。「ザ・デイ やがて伝説と呼ばれる日」の興行タイトルに違わぬ、生ける伝説となった。