巨人は30日の広島戦(東京ドーム)に2―0で零封勝ちを収め、今季2度目の3連勝を飾った。

 投のヒーローが7回を投げ、開幕から35イニング連続無失点のセ・リーグ新記録を打ち立てた山崎なら、打の主役は増田陸内野手(24)だった。「7番・一塁」で約1年ぶりに先発出場すると、6回二死一、二塁の場面で相手先発・大瀬良から左翼線へ決勝の2点適時二塁打だ。これがちょうど1000日ぶりの打点で、約3年ぶりのお立ち台に上がった増田陸は「最高です!」と絶叫。長いファーム生活からはい上がり「本当にここに立つためにやってましたし、本当にむちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せた。

 そんな苦労人は阿部監督も認めるほどのド根性男だが、実は野球に対する情熱や豪快さも兼ね備えている。キャンプ中には破天荒な〝伝説〟も生んでいた。

 気心が知れた若手選手らで宴席を楽しみながら野球談議で盛り上がっていたところ、ヒートアップした増田陸は突然「今から(坂本)勇人さんに電話する!」と宣言。坂本は尊敬してやまない師匠で自主トレでいつも弟子入りしているが、時間は午前2時過ぎだ。周囲の仲間たちは慌てて「さすがにやめろ」と制止したが、誰にも止められず、テレビ電話をかけ始めてしまった。

 普通であれば寝ていて当然。うっかり起こしてしまって怒られても文句は言えないだろう。他の選手たちは戦々恐々としていたが、坂本は意外にもすんなり応答。ただ、感情が高ぶっていた後輩の様子を一目見て察したようで、坂本は嫌がるそぶりを見せることなく「アホちゃう? お前は」と一言だけ残し、ゲラゲラと笑いながら通話を切った。

 野球のことになれば一直線に突き進む愛弟子と、そんな後輩を大きな器で包み込む師匠。この日の大活躍の裏には、他人には分からない特別な師弟関係があった。