フィギュアスケート男子で2022年北京五輪銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)は〝攻めの姿勢〟を貫いた。

 世界国別対抗戦(東京体育館)では、ショートプログラム(SP)に4回転フリップを投入すると明言。来季のミラノ・コルティナ五輪を見据えた構成に変え、17日のSPに挑んだ。冒頭の4回転―3回転の連続トーループは着氷させるも、2本目の4回転フリップは転倒。93・73点で4位発進となったが「世界選手権が終わってから、フリップに対して苦手意識があった。その中でも自分はできると信じきることが大事なのかなと感じた」と前向きに振り返った。

 完璧な演技ではなかったものの、SPに4回転フリップを組み込んだことに大きな意義がある。「どんなシーズンでも毎年新しい挑戦をしなければならない。今季は自分の中でこれ以上できないというくらいのSPを何回かすることができたけど、自己ベストの更新には至らなかった」と自身の現在地を把握したことで、より質の高い構成を意識するようになった。

 来季のミラノ・コルティナ五輪では、SPで106・08点をマークして首位に立ったイリア・マリニン(米国)が最大のライバルとなる。鍵山は「やっぱりフリップに挑戦することにすごく意味がある。少しでもイリア選手を意識しながら近づいていきたい思いがある。今日のチャレンジは意味がある」と声を大にした。

「ここでうまくまとめようとしても自分の中で意味がない」。力強い言葉の裏には、来季に向けた強い覚悟が垣間見えていた。