トランプ政権は11日、スマートフォン、コンピューター、その他の電子機器の輸入品を相互関税の対象から除外すると発表し、米国で人気の多くのハイテク製品の価格に関税が及ぼす影響を和らげた。リストには、ルーター、半導体チップ、フラットパネルディスプレー、ディスクドライブ、メモリチップ、その他の技術部品も含まれている。
これらの対象には中国で製造された製品も含まれる。先日、中国に対する相互関税を125%、そして合成麻薬フェンタニルの流入を理由に課している関税20%を含めると計145%となることを受け、消費者は8割が中国製とされる米アップルの人気スマホiPhoneの価格アップを心配していた。消費者の反発を回避する狙いとみられる。iPhoneへの関税は対フェンタニルのために課した20%だけとなるようだ。
米国事情通は「米国市場におけるiPhoneの80%は中国からの輸入で、残り20%は主にインド、一部はベトナムです。アップルのパソコンも多くが中国です。145%の関税が課されると、米国でのiPhoneの販売価格は倍以上になります。マイクロソフトやサムスン電子も、海外で製品を製造し、米国に輸出しています」と指摘する。
トランプ氏の相互関税の発想は、製造業を米国に戻すためのものだった。しかし、ハイテク製品工場を戻すのは簡単ではなさそうだ。
「スマホの製造は現在、ほぼ自動化されており、重要なのは単純製品のような組み立て労働者ではなく、コンピューターを管理する技術者、ITエンジニアです。そのため、工場を中国から移転しても人材が不足し、訓練には長い時間が掛かるとみられています」(同)
さらに米国内では、衝撃的な情報が流れている。米政治紙「ヒル」は先日、「事実を直視せよ:米国は軍事サプライチェーンを中国にアウトソーシングしている」との記事で、「コスト削減と引き換えに自国の軍事サプライチェーンを意図的に敵対国にアウトソーシングする国は、米国が初めてになるかもしれない。米軍の中国への依存度は計り知れない。空母、ミサイル、航空機、ミサイル防衛システム、戦車など、すべてが中国産の部品や資材に依存している」と報じた。
関税は米軍を弱体化させかねない。米国で中国に依存しているハイテク工場が稼働するまでには、カネと時間が掛かる。145%の関税が自分の首を絞めることになってしまうわけだ。












