ドジャースの大谷翔平投手(30)は2日(日本時間3日)の本拠地ロサンゼルスでのブレーブス戦に「1番・DH」で先発出場し、5―5の9回一死に自身メジャー2本目となるサヨナラ3号ソロ本塁打を放った。くしくも今季1回目の自身の「ボブルヘッド(首振り人形)デー」を劇弾と今季初の3安打で飾った。異次元の存在感はグラウンド外でも別格。レプリカユニホームが18か月連続で売り上げトップ、球団に昨年だけで7000万ドル(約102億円)のスポンサー収入をもたらした。そんな中、ドジャー・スタジアムの職員たちは“大谷関税”に困っているという。

 大歓声で球場が揺れたのは5―5の9回一死無走者だった。打席に向かう大谷に「ボブルヘッドデーなんだからホームラン打てよ!」の声が飛んだ。マウンドはエンゼルス時代の同僚イグレシアス。その初球、外角チェンジアップを捉えるとバットを逆方向に押し出した。角度31度、打球速度102・5マイル(約164・9キロ)で高々と上がると中堅左横のフェンスを越えた。飛距離399フィート(約121・6メートル)だった。

 大谷が自身の首振り人形配布日に本塁打を打つのは2試合連続。愛犬デコピンと合体した人形が配られた昨年8月28日のオリオールズ戦で先頭打者弾を放った。大谷の首振り人形は5月15日(同16日)のアスレチックス戦、8月27日(同28日)のレッズ戦、9月10日(同11日)のロッキーズ戦で3度配布が予定されている。ベッツもフリーマンも予定は1度。大谷の人気ぶりが分かるだろう。

 それだけに球団公式ショップなどでのグッズ売り上げもダントツだ。MLBが3月31日(同4月1日)に発表したレプリカユニホームの売り上げランキングで大谷は1位。昨季まで2年連続年間トップで18か月連続で首位をキープしている。

 その人気は球団にとんでもない利益をもたらしている。米経済誌「フォーブス」は1月に「大谷の入団によりドジャースが日本を拠点にする企業12社と契約。7000万ドル(約102億円)のスポンサー収入を得た」と報じた。今年も3月12日(同13日)に銘酒「八海山」の「八海酒造株式会社」、同26日(同27日)には大手旅行会社「JTB」、半導体装置製造メーカー「東京エレクトロン」と契約。伊藤園の「お~い お茶」、「二階堂酒造」ともパートナーシップ契約を結んでいる。また、同誌が26日に発表したメジャー30球団の資産価値ランキングでドジャースは68億ドル(約9928億円)で2位だったが前年より25%上昇したという。

 3月18、19日に東京ドームで行われたカブス―ドジャースの開幕シリーズのグッズ販売は製造などを手掛けるファナティクス社によると4000万ドル(約58億4000万円)。一番売れたのは開幕シリーズのパッチが付いた大谷ユニホームということで、大谷グッズがけん引したのは言うまでもない。

 一方、大谷の経済効果とは無縁なのは球場の職員たちだ。球団のグッズショップで販売されている商品は割引で購入できるのだが、大谷グッズは適用されないという。米国のトランプ大統領は2日に全ての国、地域に一律10%の関税を設定した相互関税を導入すると発表。トランプ関税とも呼ばれる。いわば“大谷関税”だ。

 ある職員はこう明かす。「私たちは(職員)割引が利くから、友人と家族のために早めにグッズをゲットしておこうとレジに持って行ったのだけれど、ショッキングにも大谷のグッズだけは割引できないと言われた。まあ、そうじゃないと職員が買い占めてしまうから当然かもしれないけど」。結局、大谷グッズは購入したそうだ。

 実は球場ショップで売られているグッズは割高。昨年ドジャースがワールドシリーズ制覇したことを記念した「ゴールドコレクション」としてレプリカユニホームとネーム&ナンバーTシャツの球団ロゴと名前、背番号が金色のバージョンが販売中だ。MLB公式サイトで195ドル(約2万8500円)のユニホームが球場では274ドル(約4万円)、Tシャツも50ドル(約7300円)が70ドル(約1万200円)になっている。関係者によると「スタジアムで買う付加価値代」が含まれているという。割引が使えないのは財布に厳しいのだ。

 大谷の人気が続く限り、“大谷関税”は続くだろう。それにしてもこんなところも別格とは驚くしかない。