阪神は28日の開幕・広島戦(マツダ)に4―0で完勝。投打がガッチリかみ合った試合内容で新生・藤川虎の船出を飾った。打のヒーローは初回に12球団1番乗りとなる先制1号2ランをマークした佐藤輝明内野手(26)。何かと〝借り〟が多かったドラフト同期同学年の右腕を最高の形で援護した格好だ――。

 一撃で仕留めた。初回一死一塁で迎えた今季初の打席で、相手右腕・森下が投じた甘いコースへのチェンジアップを佐藤輝は見逃すことなく強振。インパクトとともにスタンドインを確信させた会心の当たりは真っ赤に染まった右翼席へ、あっという間に吸い込まれた。

 前日27日の会見で「イチオシは佐藤輝。初回に必ず打順が回る。3番に入る彼がチームを引っ張っていってくれる」と述べ、背番号8をキーマンに指名していた藤川球児監督(44)もベンチ内で力強くガッツポーズ。新指揮官が思い描いていたシナリオを、自身の力で現実にした。

「粘り強く投げてくれていたんで。すごかったと思います」と試合後の佐藤輝が称賛したのは、この試合のもう一人のヒーロー。9回途中を4安打7奪三振無失点という出色の内容で、開幕投手の大役を見事に全うした村上頌樹投手(26)だ。

 昨季は7勝11敗と白星に見放されてしまっていた2023年のMVP右腕だが、今季はこれにて幸先よく1勝目をゲット。背番号41も「2点を先制してもらえたことで余裕をもってマウンドに上がれた。心強い同期です」と佐藤輝への感謝の言葉を忘れなかった。

「テルは村上に借りが多いからね」とは球団関係者の言葉だ。村上は昨季、防御率2・58と優秀な数字をマークしながら黒星が大幅に先行。その背景には、少なからず佐藤輝の影響もある。

 昨年4月2日のDeNA戦(京セラ)では初回の佐藤輝の失策が大量失点に直結し、村上は3回5失点でKO。同年5月14日の中日戦(豊橋)では7回まで1失点の好投を披露するも、佐藤輝が8回に犯してしまった失策が響き敗戦投手に。どういうわけか、村上が登板する試合では佐藤輝の失策が多く、岡田前監督も「村上はずっとエラーに泣いたよな」と同情を寄せたほどだった。

 だからこそ、重要度の高い今季のオープニングゲームで飛び出した初回の力強い援護弾は、両者にとって価値が大きかったと言うこともできるだろう。村神様への〝お布施アーチ〟を積み重ねれば、最高なご利益が秋ごろには手に入るはずだ。