日本ハムの小村勝球団社長(59)が本紙の取材に応じ、今後のビジョンを語った。チームは昨季2位に躍進。今季は9年ぶりのリーグ優勝と日本一を狙う。選手育成や補強に加え、本拠地「エスコンフィールド北海道」の経営も順調だ。昨季は球場を中核とするFビレッジの来場者数も418万人に到達した。自身は昨年6月にくも膜下出血で一時、意識不明に陥ったものの「奇跡の生還」。球団トップは新庄剛志監督(53)の采配と今後の去就、チーム運営をどう見据えているのか。

 ――昨季のチームは2年連続最下位から2位へ躍進。今年の目標は

 小村社長 もちろんチームには優勝を目指してほしいですが、個人としてはエスコン(本拠地)でまたポストシーズンをやりたい。昨年2位になりエスコンでCSをやって北海道の人、ファンの盛り上がりがすごく感動的でしたから。あの感動をもう1回、という思いは球団にも私にもあります。

 ――親会社の評価は

 小村社長 大きく変わりましたね。私が2年前に本社からファイターズに来た時と全く違います。

 ――具体的には

 小村社長 エスコンフィールドができたのも大きいですが、今までのファイターズ(日本ハム球団)は親会社(日本ハム)の広告宣伝や企業ブランディングのイメージの一つ。つまり宣伝効果の要素が強かった。でも今はファイターズ自体が事業として大きな利益を生むようになりましたから。そこに加え球団でいろいろなことに挑戦していることもあります。例えばエスコンでコンサートをやったり、バスケットの試合をやったりとか。そういった挑戦する姿勢も大きいですね。

 ――その結果、補強や選手の給料を大幅に上げることも可能に

 小村社長 そうです。でも、球団や選手だけにエスコンの利益を使ったりプールしていてはいけない。やはりファンの人、球場に来場していただく人にも利益は還元すべきだと考えています。エスコンの収益はチームの強化だけでなく施設の充実やファンのために使っていきたい。

 ――新庄監督は今季1年契約。球団は長期政権も視野に入れているのか

 小村社長 個人的な見解で言えば新庄監督には長くチームの指揮を執ってもらいたいです。でも、本人がどこまでそれを望んでいるかはわかりません。ただ、新庄監督の存在は間違いなく球団を変えてくれました。実は今だから言えますが、私が2年前に本社から球団に来た時、周囲からすごくたたかれましてね。「新庄監督がむちゃくちゃ(な野球を)やっている」、「球団は今すぐ監督を辞めさせろ」とか。確かに新庄監督は型破りな男ですが、その中で型をしっかり持っていて若手選手の成長、チームの底上げを行ってくれていた。それをわれわれは知っていましたから。だから周りから批判があっても球団はバックアップしようと。それが昨年実を結んだ。その手腕は高く評価されるべきです。

 ――来季も指揮を要請するのか

 小村社長 球団側はオファーをするつもりです。ただ、チームとしてはいつまでも新庄監督に頼りっぱなしというわけにもいかない。そのためにも今年は新庄監督のもとで結果を出しながら将来の球団、チームの長期的な展望も見据えていかなければならない。極端に言えば100年後のファイターズの人格、型を作りたいと思っています。