ソフトバンク・上沢直之投手(31)が早くも若手投手陣の〝教科書〟と化している。

 ホークスで過ごした初めての春季キャンプ。上沢はブルペンに入りながら、投球フォームの矯正を中心に地道な反復練習を繰り返すなど鍛錬を積んだ。移籍後初の対外試合となった22日のオリックスとのオープン戦では、2回無失点。本人は「直球の出力」を課題に挙げて満足していない様子だったが、開幕ローテに向けて今後も登板を重ねていく見通しだ。

 上沢はNPB通算70勝の実績もあるだけに、チーム内には「近寄れない感じがあるのかな…」と感じる若鷹もいた。だが、上沢自身の人柄、ムードメーカー・上茶谷の存在もあり、杞憂に終わった。若手数人との食事会も開催されるなど、距離は順調に縮まり「上沢さんから話しかけてくれることも多い」や「ふざけたノリにも笑ってくれる」といった声が上がった。

 そんな背番号10は〝教材〟として、チームに経験や知識を還元している。3年目・木村光はメンタル面についてを聞くことが多く「自分の現在地と目標から逆算した上での取り組み方を示してくれる」と感謝。救援投手の尾形も「吸収力が違う。後輩や年が下の人にも『どんな感じでやっているのか』と聞いたり、いいと思ったものは何でも吸収しようとする姿勢が桁違い」と右腕の貪欲な姿勢に目を見張っていた。

「(投手陣の)軸と言ってもいいくらい」という言葉まで飛び出した若手からの〝上沢評〟。4年という大型契約で入団し、戦力として期待をかけられるわけだが、すでに後進育成の役割も果たし始めている。