ソフトバンクは24日に春季キャンプを打ち上げた。チームはこのまま宮崎に滞在し、来月2日までに4試合を行うが、手締めでひと区切りつけた。

 今キャンプで特徴的だったのは「投げ込み量の増加」だった。投手陣を束ねる倉野信次投手コーチ(50)は、キャンプイン前日に「今の時代に逆行するかもしれないけれども、投げる数は増やす部分はある」と予告。中継ぎ投手でもブルペンで100球前後を投げ込む光景が何度も繰り広げられた。

 首脳陣は個々の選手に対してブルペン、個別練習、実戦を含めた総球数を設定。前年の数値も考慮しながら、先発であれば800~900球、リリーフは600~700球を目安とした。倉野コーチによると、この数値は「超えないといけないライン」ではなく意識づけのため。新たな取り組みの結果、ボーダーを超えて前年より投げた選手も多くいた。

 そもそも、こうした前時代的ともいえるテーマを掲げたのはなぜだったのか。

「反復がないと再現性を求められない。100球のうち1球できても通用しないわけで、その再現性を高めるための反復練習ですよね」(倉野コーチ)

 昨今の球界では練習にも効率を求められる傾向にあるが、実際に〝昭和流〟にチャレンジした選手たちからは「リカバリーをより入念にやるようになった」「技術的な部分の精度が高くなった」といった効果だけでなく「最初は(球数の多さに)ヤバいと思ったんですけど、やってみたら意外とそうでもなかった。やってみるもんだなって」との声も上がった。

 中でも今季でプロ12年目の又吉克樹投手(34)は、休養日を除いて初日から12日連続でブルペン入り。今季から加入し、NPB通算70勝を誇る上沢も地道な練習をひたすら繰り返すシーンもあった。倉野コーチも「ああいう姿を見て何かを感じ取ってほしい」と若鷹たちにハッパをかけた。

〝原点回帰〟を図った投手陣。反復練習が導く結果に注目だ。