新たな〝火種〟となりそうな気配だ。米スポーツ専門局「ESPN」のスポーツ論評番組「First Take」などの司会者として長年人気を集めているスティーブン・A・スミス氏(57)が、MLBの年俸高騰論争でドジャースを「擁護」したとして話題になっている。

 ドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」が22日(日本時間23日)に「スミス氏が意外にもドジャースの味方になっている」との記事を配信し、19日(同20日)に発言した同氏のコメントをクローズアップ。米スポーツ局「MLBネットワーク」の人気番組「MLB NOW」の毒舌司会者として知られ、何かとドジャース・大谷翔平投手(30)をブッ叩くことでも有名な「マッドドッグ(狂犬)」ことクリス・ルッソ氏(65)の指摘に対し、スミス氏が真っ向から反論してみせたことに焦点を当てている。

 ルッソ氏はドジャースについて「2025年の3億9300万ドル(約581億9800万円)という天文学的な選手総年俸が競争を制限し、野球の試合を損なっている」と主張。だが、このルッソ氏の発言を受け、同氏に負けず劣らず歯に衣着せぬ「トラッシュ・トーク」が持ち味のスミス氏は一笑に付すと同時にドジャースをフォローし、他のチームの支出不足について次のように厳しく非難した。

「ムーキー・ベッツに対し、かつてボストン・レッドソックスは彼に支払うことができた。しかし、彼らはそうしなかった。フレディ・フリーマンを見てみろ。アトランタ・ブレーブスは彼に支払うことができたじゃないか。しかし、やはり彼らもそうしなかった。ショウヘイ・オオタニを見てみろ。エンゼルスは彼に十分な額を支払う努力さえしなかった」

 さらにスミス氏は「実際、ドジャースには資金がある。だが資金があるのは何もドジャースだけではない」とし「メッツの年俸総額は3億2000万ドル(約477億5200万円)だ。ヤンキースにも資金がある。ボストン・レッドソックスにも資金がある。他のチームにも資金がある。彼らはただ、支出を控えて勝負に出ないことを選んでいるだけだ。それは彼ら次第なのだ」との見解を述べた。

 昨オフ、エンゼルスからFAとなった大谷はドジャースと10年総額7億ドル(当時のレートで約1015億円)というスポーツ界最大の巨額契約を締結。だが、その契約金のほとんどは10年契約が終了してからの後払いとなることが、すでに明らかになっている。

 スミス氏の擁護論を基に同メディアは「選手が後払い契約を受け入れるには、そのチームでプレーしたいと強く望まなければならない。これは結局のところ、支出の問題に戻ってくる。支出をしないチームには、自チームでプレーしたいと夢見る選手などいない。常に優勝を狙えるような陣容を整えるには、それなりの需要がある」との論調を展開。

 そして「MLB球団のオーナーにとって、シカゴ、ボストン、ニューヨーク、その他多くの大都市圏では資金が木に実るほど豊富にある。だからこそドジャースと比較して予算が少ないとされるのは、その大半の場合、自己責任である」と断じ、スミス氏の主張に関して全面的に同意している。

 そもそもスミス氏はヤンキースファン。そんな同氏のスタンスにも触れつつ、同メディアは「ドジャースが『野球を台無しにしている』わけではない。ファンに『最善を尽くしている」と約束しながら、支出を拒否し、チームを利益追求の手段として利用する大富豪オーナーこそが、野球を台無しにしている」との言葉で記事を締めくくり、あらためて最後にルッソ氏の発言を厳しく断罪した。