【赤ペン!赤坂英一】DeNAに復帰して2年目、6年ぶりに宜野湾キャンプに参加した筒香嘉智(33)が連日順調な調整ぶりを見せている。

 初の実戦となった15日の中日との練習試合(宜野湾)は2打数無安打だったが、試合前のフリー打撃では右翼席後方の防球ネットを越える推定140メートル超の場外弾を披露。17日のランチ特打でも中堅のバックスクリーンを越え、場外弾を放った。「この調子なら開幕4番もあるのでは」と、早くも周囲をざわつかせている。

 そんな筒香が「いつも手助けをしていただいています」と、全幅の信頼を置いているのが大村巌野手コーチ(55)。その大村コーチは筒香のキャンプ序盤の調整ぶりを、このように解説した。

「最初は“精米”の段階でしょうね。(フリーやロングティーなど)打撃練習で米を研いで、(ぬかのようなところを)そぎ落としているんです」

 そうした独自の調整を通して、筒香は昨年つかんだ感覚に「日々微調整を重ねながら」磨きをかけてきた。昨年の日本シリーズ第6戦で決勝本塁打を放って「つかんだ」そうだが、一体どういう感覚なのか。大村コーチによれば「投球を長く見られる感覚」だという。

「一般の人に説明するのは難しいんですが、来たボールを打つ、打たないを判断するまでのコンマ何秒かを長く引っ張れる感覚とでもいうのかな。ストライクかなボールかな、振ろうかな当てにいこうかな、打つんならセンターかなレフトかなとか、打者の中のCPUが尋常じゃないくらいに働いて、そういう何十個もの処理ができる。そういう感覚なんですよ」

 CPUとはパソコンの性能の中枢である「中央処理装置」のこと。さまざまな情報を取り入れる容量が大きく、処理するスピードが速いほど、性能が優れているわけである。どうやら“筒香CPU”はかなりのハイスペックらしい。大村コーチはさらに、筒香の打撃にはこんなずぬけた部分があると指摘している。

「インパクトの瞬間に、もう一つ力が入りますよね。そのスピードがものすごく速いんです。インパクトから先のところにもう一つ、もう一押しがある。そこが(並の選手とは)違うと思います」

 そう語る大村コーチの表現方法もまた独特だ。

「僕らが取り組んでいることを一般のファンにもわかりやすく伝えるにはどんな言葉を使うべきか、研究を重ねています」

 かつて“超人”と呼ばれた糸井嘉男氏(43)をはじめ、大村コーチ独自の指導を受けて大成した選手は多い。筒香がこれからどのように進化していくか、楽しみである。