新日本プロレス「ワールドタッグリーグ」は8日の熊本大会で優勝決定戦が行われ、Bブロック1位の内藤哲也(42)、高橋ヒロム(35)組がAブロック1位のゲイブ・キッド(27)、SANADA(36)組を撃破し初優勝を飾った。来年1月4日東京ドーム大会では、ついに師弟初の一騎打ちが決定的に。待望の大一番を前に、内藤は不可能と思われていた〝4度目〟の目の手術に踏み切ることを明かした。

 頂点を決める戦いは互いに譲らない大激闘となった。内藤がデスティーノでゲイブを排除すると、SANADAと一騎打ち状態となったヒロムが名も無きヒロムロールで3カウントを奪取。試合後は内藤がヒロムに来年1・4ドームでのシングル戦を提案し、2020年3月の大田区大会で決定しながらコロナ禍の影響で幻となっていた2人の一騎打ちがついに実現する運びとなった。

マイクアピールで内藤哲也(左)に感謝する高橋ヒロム
マイクアピールで内藤哲也(左)に感謝する高橋ヒロム

 レスラー人生の中でも大きな意味を持つヒロムとの一戦を前に、内藤はある重大な決断を下した。19年から悩まされてきた右目上斜筋麻痺の改善を図る手術を、緊急で受けることにしたのだ。

 目を内下方に引っ張る筋肉(上斜筋)の動きの悪化により複視(物が二重に見える)が起こる症状が再発を繰り返してきたことで、これまで3度の手術を経験。しかし昨年11月に受けた最後の手術では思うような効果が感じられなかった。

 今年の内藤はIWGP世界ヘビー級王座を1年で2回も失い、多方面からコンディション面の不安がささやかれた。「よくヒザのことを言われますけど、どっちかと言えば目の方が重症で。地面を見ると、平らな地面と斜めの地面が2つ見えるんです。そんな視界で走っているので足元がおぼつかないし、相手が2人に見えるし、場所によっては距離感もつかみにくい。試合だけに100%集中できないので、すごくストレスはありましたね」と苦悩の日々を振り返る。

 もっとも右目の手術は3回までと主治医に言われており、これ以上回数を重ねるのは不可能。そこで医師から提案されていたのがもう片方の左目の手術だ。内藤は「両目で見ると視界がズレてしまうので、悪い方の目に正常な目を合わせる方法があるみたいです。そうすると両目で見たときに(視界が)合致すると。リスクもあるように聞こえるし、めちゃめちゃ不安があったので保留してたんですけど、高橋ヒロムとの試合が決まった以上は受けることにしました」。18日に手術することが緊急決定し、次期シリーズ(18日、所沢で開幕)は欠場してドーム決戦に備える見込みだ。

「怖いけど(回復の)可能性があるならそこにかけてみたい。その決断をするくらい高橋ヒロムとのシングルマッチというのは大きい、どうしてもやりたいものなので。少しでも強い内藤哲也で高橋ヒロムの前に立って、師匠の意地を見せたいなと」

 プロレスを愛する気持ち、現役にこだわる執念、そしてヒロムへの特別な思い。あらゆるものを背負い、東京ドームのリングに向かう。