【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#580】都市伝説の中には、もともと架空の人物・キャラクターであるはずなのに、それを現実に目撃したというような証言がまれに聞かれることがある。

 例えば、「となりのトトロ」に登場する「まっくろくろすけ」や、ネット掲示板で紹介された妖怪「八尺様」などのようなものを見たことがある、というような例は実際にいくつか確認されているのだ。

 このような例は、人々の「実際にいる」といった強い思念が集結することで、現実に存在するようになってしまうのではないか、というようなことが一説として唱えられている。

 本来なんでもない場所が心霊スポットと称されるようになった途端、幽霊が頻繁に目撃されるようになったという事例も、これに類似した現象であるとみてよいかもしれない。

 2024年6月、アルゼンチンにあるナウエル・ウアピ湖で、あまりにも奇妙な存在が撮影された。それは、バリローチェ在住の女性、ロレーナさんが湖岸にいた際にとらえたものであるという。

 その物体は、白く濁っているようにも見える、やや半透明の円形または楕円形の物体であり、水面から3メートルほど浮いているようにも見える。画面の右から左へ直進して移動しているこの物体の最も注目に値する点は、大きな口のようなものをパクパクとさせながら移動しているというところだ。

 この映像は、アルゼンチンのメディア「ラジオ・セイス・バリローチェ」によって報じられた。ロレーナさんによると、それはボートでも帆船でもなかったと言い、またフェイスブックに動画を投稿したところ、多くのユーザーから反応が寄せられた。そこでは、UFO、幽霊、果てはアルゼンチンの水生UMA「ナウエリート」の頭部を捉えたものではないかと話題となった。

 その姿は、まさしくゲームの「パックマン」を思わせる挙動ぶりと言える。いわば、「リアルパックマン」が現実に現れたと言っても良いのかもしれない。ただ残念なことに、現地ではパックマンとの呼び名はなされていないようである。

 ともあれ、実際のところこのパックマンの正体はいったい何なのだろうか。当然ながら、懐疑的な反応としてCGではないかという意見もあったが、パックマンと背景を比べても特に違和感はないようにも見える。

 一つの可能性として考えられるのは、錯覚によってそう見えるというものだろう。パックマンの上半分だけを見てみると、ぼやけてはいるもののその形状は円形というよりはどうも自動車の輪郭のようにも見える。

 もしかすると、湖岸沿いの道路を走っていた白い自動車が、地面(もしくは水面)に反射して写し出されたため、全体的に円形の輪郭を作り出したのではないだろうか。また、口をパクパクしているように見える挙動も、地面の凹凸によって偶然そのような映り方をしてしまったか、もしくはかげろうのような現象によって生み出されたシルエットではないかとも考えられるだろう。

 ともあれ、上記はあくまで仮説である。もしこれが本当にリアルパックマンであったとするならば、いったいどこへ向かっていたのだろうか、エサを求めて無限に移動し続けるのだろうか。ひょっとしたら、何らかの存在が地球上をステージに見立ててパックマンを操作していたのかもしれない。