〝天才女性ドライバー〟の原点とは――。アジア最高峰の自動車レース「全日本スーパーフォーミュラ(SF)選手権」に史上最年少、日本人女性として初出走したJuju(本名・野田樹潤=18、TGMグランプリ)が27日、DHLのアンバサダー就任会見に出席した。本紙は父で元F1ドライバーの野田英樹氏(55)を直撃。まな娘との二人三脚の歩みを明かした。

 Jujuは、日本初開催となる市街地での電気自動車の世界選手権「フォーミュラE」第5戦の東京大会」(29、30日)の会見に出席。オフィシャルロジスティクパートナーを務めるDHLグループのアンバサダー就任が発表された。

 SFへの参戦で一躍脚光を浴びているJujuは、将来的に「フォーミュラE、F1も含めて世界選手権に参戦したい」と宣言。最高峰の舞台を目標に掲げた。若くして世界を舞台に走り、着実にステップアップしてきた天才はどのように生まれたのか。

 Jujuは3歳でキッズカートを乗り始め、5歳からプロを目指した。当時について英樹氏は「本人がやりたい意志を持って表明したのはいいことだと思うけど、5歳の子が言うことだったので…。レーサーになるのがどれだけ大変で、どれだけ苦しいか。しかも女の子がこの世界でやることが、どれだけ非現実的なことなのかを踏まえると、なかなか厳しいだろうなと。本気なら、やってみる価値はあると思った」と葛藤を振り返る。

 F1の長い歴史で、決勝に出走した女性ドライバーはたった2人。だが「前例がなければつくればいい。やろうと意志を持つこと自体が才能だし、その才能をはなから潰す必要はない」と娘とともに覚悟を決めた。

 指導法には英樹氏の信念がある。「怒ることは基本ない。若い子だからすべてが完璧ではないし、過ちから学ぶこともある。それを含めて経験だし、成長につながる。失敗するのを分かっている上で、見守るのも『教える』こと。才能があれば、それを見守るだけの忍耐が教える側にもあることが大事」と強調する。

 幼少期から自主性を尊重する方針を貫き「もっと頑張れというのは、かけらもない。頑張るのも、頑張らないのも本人次第なので。一生懸命、本人がやっているのも分かっているし、だからこそサポートしている。(娘の)夢がかなえばいいし、目指している結果が手に入ればいい」。そんな父の思いがあるからこそ、Jujuも「お父さんがいるから、今もレースを続けられている」と感謝の言葉を口にする。

 英樹氏は娘の将来について「世界最高峰のレースで結果を出すのが本人の目標。今の段階ではもちろんF1だけど、世界耐久選手権もあるし、時代の流れでフォーミュラEが成長しているかもしれない」とさまざまな選択肢を示した。

 父娘二人三脚で、夢への挑戦は続く。