立ち技格闘技「K―1」創始者で正道会館の石井和義館長(70)が、34年ぶりに東京ドーム開催を行うボクシング界に刺激を受けている。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)がルイス・ネリ(29=メキシコ)と5月6日に同会場で対戦する中、ビッグマッチ実現に至った経緯にも注目した。

 東京ドームでのボクシング興行は、1990年2月のマイク・タイソンVSジェームス・ダグラス(ともに米国)戦以来となる。

 この快挙に石井館長は「私は大橋(秀行)会長と本田(明彦・帝拳)会長の努力が素晴らしいと思うんですよ。地道に盛り上げてきた結果ですから。井上選手だけじゃなく、K―1から武居(由樹)選手を、RISEから(那須川)天心選手を参加させたりしてどんどん話題をつくりましたよね」。プロモーターとして業界をけん引する2人の手腕を絶賛した。

 プロデューサーの立場でK―1で何度も東京ドーム大会を開催した視点からボクシングについて「もともと完成されたスポーツなんですよ。面白いし」と断言する一方で「それをどう発信するかという部分で足りないところがあった」と長年抱えていた課題を挙げた。

 それを解決させたのは、今回の「Prime Video」のようなネット配信だと分析。さらにチケットの販売方法を「抽選受付」としたことにも「僕は〝抽選〟というのも『うまいことやるなあ』と思いました。だって、それを見たら『抽選じゃないと買えないの?』ってなるわけじゃないですか。ブランディングのうまさを感じましたよ。初動で1万枚売れちゃうから」と舌を巻いた。

 感心しているばかりではない。自身はK―1の再浮上に取り組んでおり「ここでネリ戦を持ってくるとか、ストーリー性まで持たせているじゃないですか。僕らもああいうふうに持っていかないといけないんですよね。そのためには井上尚弥選手のような特筆して強い選手が必要だよね。今(立ち技には)いないから」と力説する。

 今後は「K―1」20日の東京・国立代々木競技場第一体育館大会と「RISE」17日の東京体育館大会で2団体の対抗戦を控えるだけに「そういう選手が今回の対抗戦で生まれたらいいなと思います」と期待を込めた。