悪童に〝秘策〟はあるのか。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)が5月6日に東京ドームでWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)と防衛戦を行うことが6日、正式に発表された。

 井上は昨年7月にスティーブン・フルトン(米国)を8ラウンド(R)TKO、12月にマーロン・タパレス(フィリピン)を10RKOで下し、4団体統一に成功。2か月後に迫る悪童との試合について、元WBO世界ミニマム級王者の福原辰弥氏(34)は「ネリは勢いに乗せるとものすごく強い選手。怖さはあるけど、中盤までには井上がネリを捕まえそうな気がする。タパレスとフルトンに比べたら(パンチは)怖いけど、この2人みたいな(ディフェンス重視の)戦い方をしてくるとは思えない。今までの戦い方だと、どうしても井上が有利だと思うし、ネリの攻撃にカウンターが入ると思う」と予想した。

 ネリの戦績は36戦35勝1敗(27KO)。攻撃的なスタイルが持ち味で、77%と高いKO率を誇る。そのハードパンチについて、福原氏は「普通、フックは止まったり引きながら打つことが多い。ネリは前に来ながら、メキシカン特有の外からのフックを連打してくる。それに巻き込まれると、向こうも調子が上がってくる。大丈夫だとは思うけど、そういうパンチだけは怖い」と警戒した。

「神の左手」と呼ばれた山中慎介との2度の試合で、薬物陽性と体重超過。井上には、同じ日本人としてのリベンジに期待がかかる。モンスターの強さについて、福原氏は「基本的にパンチが当たらない距離にいるし、腕が伸びきった距離でストレートを当てるので、一番効く。山中さんも同じストレートで対戦相手を倒していたけど、井上はストレートだけではなく、フックとボディーとか全てのパンチで倒せる。(相手からして)ストレートだけ気を付けていてもという感じ。なかなか穴は見つからないし、負ける姿が想像できない」と分析。攻撃と防御、両方ともに超一流というわけだ。

 そんな井上に、ネリの勝ち筋はあるのか。福原氏は「(普段通りの)攻撃重視で行っても、勝つのは難しいと思う。1R目で手も合わせずにいきなり行くとか、予想外の奇襲をするしかない」と試合開始ゴングの瞬間にネリが井上に襲い掛かるシナリオを指摘しならがも「ただ、井上は集中していると思うし、それでも難しい」と言い切った。元世界王者は井上の圧倒的有利との見方を示したが、果たして――。