立ち技格闘技「K―1」のアドバイザーに就任した創始者の石井和義・正道会館館長(70)が「K―1 WORLD MAX」(3月20日、東京・国立代々木競技場第一体育館)を前に今後の海外戦略などについて持論を展開した。

 まず、アドバイザーとしての役割を「ファンとK―1の中間にいる存在だと思ってもらいたいです。中途半端な立場ではありますが、そういう立場の方が物事が見えるのではないか」と説明。就任の経緯を説明する前に「(現K―1の)一番の功労者は矢吹(満)オーナーだと思うんですよ」として、2000年代終盤から世界各地に散り散りになった「K―1」のライセンスを再び日本に戻したことを称賛する。それを踏まえ「矢吹オーナーの男気に触れて『手伝ってくれないか』と言われたので恩返しのつもりでやることにしました」と明かした。

 K―1の強みに世界的な知名度をあげた石井館長は「ブランドをうまく活用して再構築したらどうかなと思う。僕らのライバルはRIZINでもONEでもRISEでもない。ライバルは野球であり、サッカーであり、Bリーグであり、ほかのスポーツなんです。スポーツの中での格闘技の地位を上げないといけない」と力説。そのために世界進出は不可欠として「今までは〝日本発世界〟だったけど、これからは〝世界発日本〟に変わっていくと思う。世界中でK―1をしながら、例えばドバイ辺りに『K―1 WORLD』を作ってお金を集めて、そのお金を使ってK―1を世界に広めていく。そして世界中でK―1の決勝をできるようにしていこうというのが(目標)。これはほかの団体では無理なんです。なぜなら名前が知られていないから」と両手を広げた。

 K―1の世界再進出に大きな可能性を見ている理由として「立ち技はチャンスなんです。総合(格闘技)はUFCが牛耳っているが、立ち技にはまだないから。(ONEの)チャトリ(シットヨートンCEO)さんが頑張ろうとしているが、あのやり方ではお金が続かないでしょう。それに、世界はONEは知らない。でもK―1はできるんです。みんな知っているから」と拳を握る。目指す経済規模を問われると「UFCが1兆円とかとかいっていたから、謙虚に言ってその3分の1で3000億。1000億くらいはすぐ行きますよ」と自信をのぞかせた。

 世界で成功する具体的な戦略として「世界中にはいろんなファイターがいる。アフリカとかにも。世界中でアントニオ猪木や力道山やアンディ・フグを作っていかないといけない」と各国でスターを育てることの重要性を上げる。その上でその国の適性を見た階級での大会を行うことが重要として「カテゴリーを作ってそれぞれの国でやった方が盛り上がるんですよ。その先にあるのが国別対抗戦です」と断言した。

 そんな世界戦略スタートを見すえて復活するのが「K―1 WORLD MAX」だ。ここで開幕する70キロ級の〝世界最強決定トーナメント〟はまだ2枠出場選手が未定だが、ここにK―1ウエルター級王者の野杁正明とSB世界スーパーウェルター級王者の海人の出場を熱望し「出て欲しい。なんで出ないのかは僕にはわからない」と首を振る。海人はラブコールのメールを行ったが、2月10日のシュートボクシング(SB)後楽園大会でペットモラコット・ペッティンディーアカデミーに敗れていることから難色を示されたと明かし「『K―1で勝ってもムエタイに勝ったことにならないんです』と。思い入れがあるんやろなと思って。K―1に出るのではなく、SBでリベンジしたいというのはあると思う。それは男やなと思うし」と理解を示す。それでも引き続きメッセージを送るとしつつ、面識のない野杁ともコミュニケーションをとりたいとした。

 この日、報道陣を相手に約1時間半熱弁を振るった石井館長。最後に「僕はアドバイザーなんで、これからも好きなこと言わせてもらいます」と予告した。