大相撲夏場所では、横綱大関を含めて幕内力士7人が休場。故障者が続出する背景の一つとして以前から指摘されているのが、地方巡業の過密日程だ。力士の負担を減らすための方策はあるのか。3月から日本相撲協会の巡業部長に就任した高田川親方(元関脇安芸乃島)に見解を聞いた。

 夏場所では三役以上の力士9人のうち5人が休場。特に2横綱2大関不在のインパクトは強く、これまで以上に力士のケガに多くの目が向けられることになった。横綱審議委員会の大島理森委員長(元衆院議長)は日本相撲協会に対策を要望。力士の休養不足にも懸念を示した。かねて課題として指摘されているのが、地方巡業の過密日程だ。夏場所前の春巡業では、移動日を含めて30日間で27回開催された。

 担当部長として春巡業に同行した高田川親方は「昔に比べたら楽ですよ。私たちのころは移動も今より大変だった。稽古時間も長くて、三役でも朝4時に起きて会場に行ってましたから。ただ、昔のことを言っている場合ではない。巡業が過密だと言われているし、今の時代は〝働き方改革〟もある。そこは考えています」と力士の負担を軽減していく意向を示した。

 近年では2018年に年間の巡業開催が合計91回に上った。その後はコロナ禍の影響などで減少した時期もあったが、大相撲人気の高まりを背景に再び増加傾向へ転じている。こうした経緯を踏まえた上で、高田川親方は巡業改善の具体策を次のように明かした。

「今年の日程はすでに決まっているが、来年以降は減らしていく。(年間の開催を)70回台に抑えて(同一会場での)2日間、3日間興行を増やしていく。比較的近い会場でやる場合は同じホテルから通えるようにするとか。今年に関しても、夏巡業は午後2時半には終われるようにする(通常は3時終了)。1時間の移動で3時半、1時間半でも4時には次の宿舎に着く。そこからの時間で体を鍛えてもいいし、ケアにあててもいい」

 相撲協会にとって、地方巡業は大相撲普及の観点からも欠かせない柱の一つ。力士の故障が全て巡業に起因するわけでもない。それでも、負担の重さを訴える力士が多数いることは確か。本場所での休場者の増加は、協会にとっても好ましいことではない。巡業と本場所の両立を巡って、今後も最善策を模索していくことになりそうだ。