大相撲名古屋場所14日目(25日、愛知・IGアリーナ)、関脇熱海富士(23=伊勢ヶ浜)が幕内獅司(29=雷)を一方的に押し出して11勝目(3敗)。2敗で単独首位の関脇安青錦(安治川)と1差を守り、初優勝に望みをつないだ。

 今場所は身長187センチ、体重197キロの巨体を生かし、2横綱1大関を撃破。三役で自身初の2桁白星となる11勝をマークし、大関取りの起点を築いた。今回の快進撃を〝育ての親〟はどう見ているのか。

 先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)は「体が大きいから、前に出れば圧力がある」と一定の評価をしながらも、相撲内容には物足りなさを感じているという。同親方は「(自身の師匠時代から)全然、変わってない。理想の相撲には程遠い。左でまわしを引いてないし、差した腕も返していない。今はガムシャラに攻めているが、止まったり(相手に)何かやられたら勝てない」と指摘する。

先代師匠で元横綱旭富士の宮城野親方
先代師匠で元横綱旭富士の宮城野親方

 その上で「当たって押して、前に出て勝てればいいと思っているようではダメ。いつか墓穴を掘るし、実際に弱点を突かれて負けている。しっかり左上手、左前ミツを引いて右を返して寄っていけば、相手は何もできない。自分の形をつくっていかないと。まだまだ強くなる」と注文をつけた。厳しい採点も、熱海富士に大きな伸びしろを感じているからこそ。課題を克服できれば、一気に看板力士に上り詰めるポテンシャルを秘めている。

 26日の千秋楽は安青錦との大一番。過去に千秋楽まで優勝争いをしたことは3度あり、そのうち2回は決定戦で涙をのんだ。優勝を果たせば、静岡県勢で初の快挙。〝4度目の正直〟で悲願の賜杯をつかみにいく。