大相撲の元横綱白鵬翔氏(41)が師匠を務めていた旧宮城野部屋が〝完全消滅〟したことに、部屋のOBからは不満の声が上がっている。旧宮城野部屋は元幕内北青鵬による暴力問題の影響で、2024年4月から当面閉鎖。力士たちは伊勢ヶ浜部屋が預かる形で転籍した。

 先の夏場所では、旧宮城野部屋出身の炎鵬(31)が3年ぶりに十両復帰を果たし、親方になるために必要となる関取通算30場所に到達。日本相撲協会を退職した白鵬氏から年寄名跡を継承した現宮城野親方(元横綱旭富士)は、旧宮城野部屋の力士が親方になる資格を得た場合、その力士に名跡を譲渡して、部屋の復興に協力する考えを示していた。

 そうした中、相撲協会は28日の理事会で伊勢ヶ浜部屋に在籍する旧宮城野部屋力士の預かり解除を電撃決定。名実ともに伊勢ヶ浜部屋の力士となった。既存の部屋の継承ではなく、独立して部屋を新設するためには、親方になるより高い条件(横綱大関経験者、三役通算25場所、幕内通算60場所)が必要。白鵬氏の流れをくむ部屋を再興する道筋が事実上、なくなった。

 今回の決定に、旧宮城野部屋OBは「なんで炎鵬が親方の資格を取った直後にやるのか。嫌がらせ以外の何物でもない」と憤りをあらわにする。このOBによると、転籍した力士たちは今回の決定を報道で知ったという。「(事前に)何の説明もなされていないのは大問題だと思う。今まで再興を期して、ほかの部屋で泥水をすすりながら頑張ってやってきたのに、あまりにもひどい仕打ちじゃないですか」と不満を訴えた。

 部屋の復活へ、いちるの望みが見えた中で下された突然の決定。まだまだ波紋が広がりそうだ。