ロレックスやフランクミューラーなど高級ブランド腕時計を月額レンタルする「トケマッチ」を運営していた「ネオリバース」元代表の小湊敬済こと福原敬済容疑者(42)を警視庁が6日、業務上横領容疑で指名手配した。同容疑者はすでに成田空港から海外に出国。行き先はUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで、捕まえることができるのか。

 トケマッチは所有者から預かった高級腕時計を借りたい人に貸し出すシェアリングサービスで、2021年1月からスタートしたが、今年1月末に運営会社は突如解散を表明。預かっていた腕時計は6か月を目安に順次返却するとしながらもフリマサイトなどに出品されていたことが判明し、騒動となった。逮捕容疑は昨年12月ごろに東京都の男性から預かったロレックス1本を今年1月ごろに大阪府内の古物商で65万円で売却した疑いだ。

 被害者による「トケマッチ対策本部」は警察に被害届を出すように呼び掛けており、これまで13都府県に44件の被害届が提出されている。既に腕時計70本(約1億円相当)が売却され、ほかに866本(計18億4000万円相当)が未返却だという。

 同容疑者は法人解散と同時期にドバイに渡ったとみられ、行方は分かっていない。ドバイといえば、昨年6月に逮捕された元参院議員のガーシー(東谷義和)被告も滞在していた地だ。

 現地を訪れたことがある関係者は「税金がかからないタックスヘイブンで、日本人のコミュニティーがあります。仮想通貨で稼いでいる人のほか、何のビジネスでもうけたのか得体の知れない大金持ちばかりも多かった」と指摘する。

 警視庁は福原容疑者を国際手配する方針だが、ガーシーのようにドバイ当局に動いてもらい、強制帰国させることはできるのか。

「国際手配は詐欺ぐらいなら照会を求める青手配が通常。ガーシーの場合は名誉毀損、脅迫事案だったが、事実上の国策捜査で、身柄の引き渡しを求める異例の赤手配が配布された。外交ルートでも圧力をかけた結果で、福原容疑者には同じようにはいかないでしょう」(元警察関係者)

 福原容疑者がどこまで計画的に犯行を実行したかで今後も状況が変わってくる。

「ガーシーが他の国のパスポートを買ったのではないかとウワサされたが、実際に買える。それを使って、第三国に出国してしまった可能性やカネを海外口座や仮想通貨などに隠してしまい、もう使ってしまったとウソをついて、出頭する可能性もある」(同)

 今回の事件では、腕時計がフリマアプリに転売され、すぐに犯行が露呈するなどして、手口が稚拙ともみられている。その一方で昨年11月~12月には預けた人に3万円分のアマゾンギフト券をプレゼントするキャンペーンを張って、大量の腕時計を入手し、計画倒産→逃亡のシナリオを描いていたともみられ、ずる賢い面ものぞかせる。

 日本国内とは違い、海外では腕時計を売却するのもたやすい。すでに20億円近い大金に替えたのか、それとも大量の腕時計を握ったまま、逃亡を続けるのか――。