【球界こぼれ話】2月上旬からメジャーキャンプ取材のため米アリゾナに滞在している。すでに当地で3週間が経過。今週からは取材するドジャースの主力組もいよいよ本格的な実戦に突入する。右ヒジ手術後の大谷翔平投手(29)が「打者専任」でどの程度の成績を残すのか。12年総額460億円超えの契約でチームに加入した山本由伸投手(25)は1年目から期待通りの活躍ができるのか。シーズンを占う意味でも2人の動向から目が離せないが、その裏で個人的には切実な問題に直面し始めている。
円安の影響を含めた現地の「物価高」だ。渡米前から米在住の知人と連絡を取るたびに「アメリカの物価高は本当にひどい。覚悟して来た方がいい」と何度も念を押されていたが日本出国前は「大丈夫だろう」とタカをくくっていた。だが実際にアメリカで生活を始めると当地の物価高は想像以上だった。
例えば、日本でも時折報じられるマクドナルドの価格。現地ではビッグマックセットが本当に12ドル(1800円)もする。比較的手頃な中華料理のチェーン店ですらチャーハンとチキンのコンボ(セット)で13ドル(1950円)ほど。現金で支払うたびに心拍数が高まるのは言うまでもない。「それなら自炊」と食品スーパーに駆け込んでも1パック12個入りの卵がまさかの7ドル(1050円)で、米が2キロで8ドル(1200円)。小袋のポテトチップスとバナナ2本で4ドル(600円)など驚愕の価格ばかりだ。米国内でも比較的物価が安いといわれるアリゾナでこの高騰ぶりである。おかげで日本から生活費として持参した現金1500ドル(約23万円)は湯水のごとく消え、今や財布の中身は枯渇しつつある。残るはクレジットカードだが、こちらも高騰する渡航費や宿泊費、レンタカー、ガソリン代などで上限額に迫る勢いなのだから不安は尽きない。
こんな話を先日、ドジャースの現地スタッフにしてみると「それは気の毒としか言いようがないな。でも、せっかくアメリカにいるのだから、たまにはステーキでも食べてくれば? ボリュームがあっておいしいよ」。そう言っておすすめのステーキ店を紹介してもらった。
だが、キャンプ地近くにあるその店は「庶民的」でこそあるものの、ヒレステーキに前菜、スープなどを含めると代金は125ドル(1万8750円)。ドリンクとチップを加えれば1食2万円を超えることが判明した。これでは断念せざるを得ない。
キャンプ地では大谷のユニホーム(3万円)やTシャツ(6750円)が連日飛ぶように売れている。この様子を見ると現地の人々に比べ自分の生活水準がいかに低いかを痛感させられる。
円安を含め日本の国力が落ちたせいなのか。インフレを含めたアメリカの物価高が異常なのか。コロナ前とは明らかに異なる米国生活。大谷や山本ら日本人選手の奮闘を願う一方、日本の給料で過ごす庶民の苦しい日々は続く。












