【元局アナ青池奈津子のメジャー通信・特別編(3)】いよいよ春季キャンプ入りしたドジャース・大谷翔平投手(29)。その象徴は、何といっても規格外の「パワー」だろう。「大谷のフィーチャー(特性)を自分に1つ取り入れることができたら何がいいか?」。この問いに現役メジャーリーガーなど138人のうち「11人」が「スピード」と答えたのも印象的だったが「投球能力」だけでなく具体的な球種を挙げた選手も少なくなく――。

「あの右腕をもぎ取って自分にくっつけたいよ」。そう答えたのはパドレスからロイヤルズに移籍した右腕マイケル・ワカだった。また、昨季はエンゼルスで同僚でもあった左腕のマット・ムーアは「大谷の右腕を得て〝二刀流〟になる」とユーモアたっぷりに夢の両投げに思いをはせた。

 さらにメジャー通算82勝左腕のエデュアルド・ロドリゲスは「どっちも欲しいな、打撃も投球も」としながら「でも、選ぶとするなら投球かな。自分も投手として彼のすごさが分かるから。自分は一度もいい打者だったことがないし、打つ機会もないけど、大谷の投球のすごさなら分かる。彼のピッチングはとてもアメージング。彼の投球を見るのが好きだから、早期復帰を願っているよ」とエールを送った。

 打撃やスピードではなく投球に関連した回答を寄せたのは「38人」。そのうちの半数が「投球能力」や「肩の強さ」と答えたが、具体的な球種を選んだ選手が結構いたのは興味深かった。まずはうなりを上げる直球(ファストボール)だ。

ヤンキースの主軸・スタントン(ロイター=USA TODAY Sports)
ヤンキースの主軸・スタントン(ロイター=USA TODAY Sports)

「100マイル(約161キロ)のファストボール。打者からたくさん三振を取りたい。投げられたら二刀流になるよ」。そう語ったのは通算402本塁打を誇る大砲、ヤンキースのジアンカルロ・スタントンだった。さらに2021年のサイ・ヤング賞右腕、コービン・バーンズも「自分は100マイルのファストボールを人生で1度しか投げたことがないから、レギュラーで投げられたら最高」とこちらも直球を推した。

 だが、大谷の魅力は変化球にも及んだ。直球に続く〝2番人気〟は高速のスプリットだ。かつて大谷の同僚だった左腕のアンドルー・ヒーニーは「オーマイガー! 彼のスプリッターにしようかな」。アスレチックスに移籍したロス・ストリプリングも「自分のチェンジアップはまあまあいいと思っているんだけど、彼のスプリッターがあったら、もっと三振や空振りが取れる。しかも大谷のスプリッターは、自分のファストボールと同じくらい速いからね」と脱帽するばかりだった。

 スライダーは〝3番人気〟で剛腕のライン・スタニクは「彼の速球やスプリットもいいけど、自分もそこそこ悪くないと思うから、彼のスライダーを加えられたら、もっともっと投球が楽しくなりそうだなって」と考えを巡らせた。

 ちなみに昨季、非ホジキンリンパ腫から復帰した右腕のリアム・ヘンドリックスは「違う方向へ行く球を持っていないから、彼のスプリッターがナイスだね」としつつ、こんな〝裏話〟も…。

「もしくは打撃力。そうしたら、昔憧れていた二刀流になれる。実は18歳の時に左翼手でエンゼルスと契約間近までいっていたんだよ。投手の方がちょっとお金が良かったのと、成績が安定していたこともあって投手専念に。オオタニが成功させたことで、今後もっと二刀流選手が生まれてほしいと本当に願っている」

 このほか、複数人から寄せられた同じ回答には松坂大輔さんらの「サイズ(身長)」、日本ハムで同僚だったクリス・マーティンらが選んだ「自己管理能力」や「勤勉さ」などなど。昨年のオールスター戦のMVP男、エリアス・ディアスらが挙げた「全部」以外にも、昨季までチームメートだったルイス・レンヒーフォのように「全てを簡単にしてしまう能力」とのウイットに富んだ回答もあった。