ポスティングシステムで米レイズとマイナー契約を交わした日本ハム・上沢直之投手(29)が19日にエスコンフィールドで会見を行った。
昨季まで日本ハムのエースだった右腕は「タンパベイレイズに入団することが決まりました」とあいさつ。「僕みたいな選手がそれなりに投げられたら、革命的な何かが起きる気がする」と異国での活躍に意欲をのぞかせた。数年前からMLBでプレーする願望を公言し、ようやくその夢をかなえた一方で、周囲をあ然とさせたのは、上沢がレイズと結んだ契約だ。
メジャー昇格に加え、出来高を全てクリアすれば年俸が5億円程度になるスプリット契約とはいえ、基本は年俸22万5000ドル(約3300万円)のマイナー契約。この信じ難い〝少額入札〟のおかげで、エースを送り出す日本ハムがレイズから受け取る譲渡金は現状でわずか90万円程度…。上沢が活躍すれば7500万円程度に上昇するとはいえ、その保証はない。それどころかメジャーに昇格できなければ、球団は「タダ同然」で放出したことになりかねない。
にもかかわらず、編成トップの栗山英樹CBOが会見に同席してエールを贈るなど、上沢の移籍に好意的なのはなぜか。本人の人望もさることながら球団の懐事情による影響も大きい。
日本ハムは昨季、新たな本拠地として札幌市に隣接する北広島市に「エスコンフィールド北海道」を開業。それまでは球場の使用料やグッズの販売収入を含め、年間20億円と言われる巨額の費用を札幌ドーム側に搾取されていた。
しかし、自前の新球場となったことで負担から解放され、1年目から大勢のファンが来場。球団の収益は大幅に改善され、営業利益は「30億円」に迫る勢いをみせた。となれば、上沢の移籍金を頼る必要もないわけだ。
球団関係者の一人も実情をこう明かす。
「仮に今季も札幌ドームが本拠地だったら、球団は金銭面を考慮して、マイナー契約の上沢を譲渡しなかったでしょう。でも、今は〝エスコン特需〟で球団は資金面に不安はない。それどころか潤沢な資金を費やして、オリックスからFAした山崎福也(4年総額10億円)やバーヘイゲン(年俸3億5000万円)の獲得にも成功。戦力面でも上沢の穴を十分埋められた。だからこそ球団は、マイナー契約でも快く上沢を送り出しているのです」
球団の資金繰りが好転したおかげで実現したと言っても過言ではない上沢の「格安移籍劇」。球団に入る金額は「すずめの涙」ほどでも日本ハムに不安はない。(金額は推定)












