お前を救いたい。ノアのGHCヘビー級王者・拳王(39)が、3冠ヘビー級王者の中嶋勝彦(35)と全日本プロレスの若手に〝悪魔のささやき〟だ。1月31日付で全日本を退団する石川修司(48)の参戦が発表されたノアの新ブランド「LIMIT BREAK」(2月15日、東京・後楽園ホール)を前に、ライバル団体の〝お家騒動〟に言及。無頼派集団「金剛」で2年間行動をともにした中嶋の言動を分析しつつ、強烈な拳王節をさく裂させた。

 イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.を迎えてのV3戦(2月4日、宮城・仙台サンプラザホール)を控える拳王は「ワグナーとは〝未来のノア〟を見せられるような試合にしたい」と意気込む。前GHCナショナル王者で6度の防衛を重ねた挑戦者について「ノアの外国人の中でもトップだと思う。ナショナルの防衛ロードもレベルの高い内容だったから、クソヤローども(ファン)の支持率も高いし。自分自身、試合が楽しみだ」と腕をぶした。

 もちろん、これだけで口を閉じる男ではない。舌鋒を向けたのは、石川の「LIMIT BREAK」参戦につながった全日本のお家騒動だ。「急転直下だよね。2か月くらいでこういう流れになっているので…」と語り始めた。拳王の言う通り、ここ2か月で全日本は混沌を極めた。福田剛紀社長の迷走や3冠ベルトを巻いた中嶋の傍若無人な言動が見られる一方で、退団者が続出。この原因として専務取締役の諏訪魔が中嶋を洗脳して操る「黒幕」の存在を指摘し、その人物こそが「全日本を本当に乗っ取ろうとしている」とまで告発する事態になっている。

 拳王は、この混乱の渦中にいる中嶋と、2020年8月から23年5月まで金剛の2トップとして行動をともにした。かつての仲間が〝闘魂スタイル〟を標榜して動いていることに「今の中嶋勝彦の行動を見ていると、やはり後ろに〝ブレーン〟がいるんじゃないかと思ってしまうよね。だって、金剛にいた時にはアイツにあのくらいの思考なんてなかったんだから」と推理する。

 さらに諏訪魔の〝洗脳説〟にうなずくと「そうなんだよ。だから俺は中嶋勝彦を救いたいんだ。洗脳されているのは間違いないだろ。2年くらい組んでいたけど、その時アイツに自分の考えなんてなかったんだから」と重ねて断言。その上で「中嶋勝彦、ノアに帰ってきてもいいんだぞ…? もう全日本プロレスに先があるかどうかだって分からないだろ」と、まさかの方舟への復帰を呼びかけた。

 その〝甘言〟の矛先は中嶋にとどまらない。「(お家騒動の)内容は知らないけど、一番は若い選手がかわいそうだなっていうところだよね。特にスイッチの入った中嶋勝彦は何をするか分からないから(タッグパートナーの)大森北斗なんて病んじゃうんじゃないかって思うよね」と王道の若手をおもんぱかる。「だから、全日本の若手もみんなノアにきたらいい。実際、ジェイク・リーがノアに来てから輝いてるじゃないか。そのくらいに輝ける場所を俺が提供してやる。お前らに、絶景を見せてやるよ」と〝悪魔のささやき〟を口にした。

 相変わらず言いたい放題だった拳王は17日の新宿大会で6人タッグ戦に出場し、英国遠征を控える2年目の小澤大嗣、昨年7月にデビューした大和田侑と組んで潮崎豪、小峠篤司、Hi69組と対戦。先輩に立ち向かう若手コンビにゲキを飛ばしつつ、合体攻撃を促すなど指揮を執った。小澤が潮崎のラリアートに沈んだものの、好采配でハツラツとした動きを引き出して観客を沸かせた。

 王道マットのお家騒動から生まれた渦にあって、〝モノ言う王者〟拳王からも目が離せない。