ユニコーンが新たな歴史をつくるのか――。ドジャース・大谷翔平投手(29)による人類未到達の偉業達成へ期待が高まっている。昨季は44本塁打で日本選手初の本塁打王に輝き、史上初の2度目の満票MVPを受賞。今季は右ヒジを手術した影響で投手としては出場せず、代名詞の二刀流は封印する見通しだ。ただ、この「野手専念」と2年目を迎える「走者有利ルール」、そして昨季ナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャ外野手(26=ブレーブス)の存在が、大谷をさらなる異次元へ押し上げるとの見方も広がっている。
昨季まで在籍したエンゼルスを離れ、戦いの場をア・リーグからナ・リーグに移す大谷。ドジャースでの1年目は野手での出場がメインとなるが、これによって米球界関係者は大谷の投打の実力だけでなく「脚力」にも着目している。
「(大谷は)もともと走れるし、スピードもあるプレーヤー。2024年は先発(投手)で出る試合がなくなる分、走塁面はよりアグレッシブなものになることは間違いない」と指摘した上でこう断言する。
「まだオオタニが達成していない『フォーティー・フォーティー(40本塁打&40盗塁)』を先に達成しているアクーニャは、打者・大谷にとっても数少ない刺激的な存在。ともに『40―40』を達成しても全く不思議ではないし、2人とも全盛期を迎えているだけにMLBでもまだ誰も到達していない『フィフティー・フィフティー(50本塁打&50盗塁)』を期待できる」
アクーニャは大谷より3歳年下の26歳で走攻守で抜群の身体能力を発揮している。昨季は打率3割3分7厘(ナ2位)、106打点(同6位)に加え41本塁打&73盗塁をマーク。通称「40―40」を達成したのは史上5人目で、ナ・リーグMVPを堂々の満票で受賞した。
大谷の自己最多は21年に記録した26盗塁だが、今季は野手にウエートを置くことでより量産が見込める。これまで先発投手として出場した際は走塁時の激しいスライディングやクロスプレーなどには、ある程度の“ブレーキ”をかけてきた。しかし、今季はそうした制約は取り払われる。
また、昨季からMLBは「ピッチクロック」導入、投手がけん制球を投げられる回数が制限された(3度目に走者をアウトにしなければボーク)。その上、ベースそのものが15インチ(38・1センチ)から18インチ(45・72センチ)に拡大され、塁間が4・5インチ(11センチ)狭まった。エンゼルス時代はそのアドバンテージを生かせなかったが、ドジャースは後続打線が強力だけに期待できそうだ。
アクーニャより以前に「40―40」を達成したのは06年のソリアーノ(ナショナルズ)まで、さかのぼる。打力と走力のどちらも求められるだけにめったに現れない記録となっており、日本のプロ野球ではまだ誰もなし得ていない。MLBでも達成者を「40―40クラブ」と呼ぶ習わしがあるほどだ。桁外れの能力を誇る昨季のMVP男2人が今季から同一リーグとなり、お互いを刺激し合いながらタイトルを争うことになれば…。
前出の関係者も「間違いなく24年のナ・リーグの見どころの一つ」と早くも前のめり。「40―40」どころか、MLBでも誰も足を踏み入れたことがない「50―50」の至高対決となる可能性も十分ありそうだ。









