新日本プロレスの新社長に就任した棚橋弘至(47)が26日、所信表明を行った。

 新日本は年内最終興行を終えた23日に臨時株主総会・取締役会で経営体制の変更が決定。20年10月から就任していた大張高己高社長が退任し、棚橋が第11代社長に就任した。

 近年のプロレス界ではレスラーが社長を務めるケースが激減し、経営は〝背広組〟に任せるのが主流となっていた。選手兼社長は初代から3代目社長までのアントニオ猪木さん、坂口征二氏、藤波辰爾に続く史上4人目。藤波が退任した2004年6月以来、実に19年半ぶりの誕生となる。

 この日の会見ではまず木谷高明オーナーが経緯を説明。前任の大張社長に対し「コロナ禍でもかなりの対応力を見せてもらった」と感謝を述べつつ「一区切りついて、これからは動員を増やす段階。よりお客様に楽しんでもらい、動員をコロナ禍までに成長させていこうと」と棚橋新社長への期待を寄せた。

 さらに棚橋を任命した理由について「一番苦しい時期に体を張って頑張っていただいたのは大きなポイント。(棚橋は)日常でも基本〝ネアカ〟。経営者はネアカでないといけない。今の時期は明るく広がるような性格の方にやっていただいた方がいいんじゃないかと」と説明。

「経営者ってやってみないと分からないんです。ただ僕は向いていると思います。苦労をいとわない、明るい、頭脳明晰。資質としては十分だと思います」と太鼓判を押した。

 スーツ姿で晴れ舞台に登場した棚橋は「新日本プロレスで社長になるというのはいつしか僕の夢であり、目標になっていました。多くの期待に応えないといけないという思いで身が引き締まっています」とあいさつ。今後の目標として「まず一つは東京ドーム大会を超満員にする、ですね。もう一つは地方でのタイトルマッチをどんどん増やしていくということです。最後に、スポンサー様とのパートナーシップの強化。現役レスラー社長として、日本一動き回る姿勢というか、新しい社長の形を模索してやっていきたいと思います」と3つの公約を掲げた。

 木谷オーナーから社長就任の打診を受けたのは今年の11月だという。「僕もまだ(IWGP)世界ヘビーのベルトを取ってないですし、鍛え直して…という思いもあったんですけど。同時にやってこそ逸材じゃないかと」と決断。「現役生活についても考えているところはありますけど、まだ世界ヘビーを巻いていないので。それがモチベーションになってますね。プロレスは社長を殴れる唯一の競技だと思ってますので。集中的に狙われると思いますが、プロレスという競技で勝負をしたいと思っています」と笑顔を見せた。

 社長業とレスラー業の両立は困難も予想されるが「周りにサポートしてくれるメンバーがいますし、何よりも僕は疲れないので、大丈夫だと思います」とキッパリ。エース兼社長として、コロナ禍から立ち上がりつつある団体をけん引するつもりだ。