課題克服はなるか。フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、カナダ・モントリオール)の代表選考会を兼ねた全日本選手権(21日開幕、長野・ビッグハット)で、宇野昌磨(26=トヨタ自動車)のジャンプに注目が集まっている。直近の国際大会では厳しい判定が目立っているが、世界の頂点を狙う上で減点は大きな痛手。2年連続6度目の優勝がかかる戦いを前に、王者の心境に変化が芽生えている。

 準備は万全だ。20日に同会場で行われた公式練習では、ショートプログラム(SP)の曲かけで4回転フリップ、4回転―3回転の連続トーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷。「他のみんなもいい感じに仕上がっている。より難しい戦いになるかと思うが、全員が最善を尽くして、最高の試合にできた上で、いい順位を取れたらうれしい」と意気込んだ。

 今季は「表現力の向上」をテーマに掲げる一方で、ジャンプの判定に苦慮する場面が目立った。グランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯のフリーでは、4本の4回転ジャンプ全てに「q」(4分の1回転不足)がついた。GPファイナルのフリーでも3本の4回転ジャンプで「q」がつくなど、出来栄え点(GOE)を伸ばせていない。

 今季はここまでGPシリーズ3大会に出場し、いずれも銀メダルだった。今大会に向けては世界の頂点を見据えて「表現も頑張りたいが、GPシリーズを全部終えて、競技でやっていく以上、結果を求める中でやっぱりジャンプが必要になってくると思った。前よりもジャンプの練習の比重が増えた」と調整方法を変更。「ストレスを感じることも多くあったが、一日も無駄にせず、練習量はしっかり積めた」と手応えを口にした。

 そんな宇野の〝自己分析力〟は、多くのフィギュア関係者が太鼓判を押す。平昌五輪男子代表でプロスケーターの田中刑事氏は、かつての取材で「自分の分析に関してすごくたけている。分析しながら自分を高めていく戦略、試合でのジャンプ構成など、自分を操るのが上手」と証言。ある審判員も「宇野選手の発言を見る限り、ジャンプのどこが悪いかはわかっているのでは」と大一番での修正に期待を寄せた。

 GPファイナルから約2週間で迎える一戦は「後悔のない練習を積んできた。しっかり自分が感じたままの演技ができたら」と気合十分。王者のプライドを長野の地で示す覚悟だ。