フィギュアスケート男子で世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が〝疑問視〟したジャンプの採点方法を巡り、全日本選手権4連覇の記録を持つ審判員の小川勝氏(59)がプロの見解を語った。

 宇野はグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯(大阪・東和薬品ラクタブドーム)の男子フリーで3種類の4回転ジャンプに挑むも、全てに「q」(4分の1回転不足)がついた。演技後には「結構きれいかなと思ったが、厳しかったなと感じた」と複雑な心境を吐露した。

 一連の発言が波紋を呼んだ中で、小川氏は「ISU(国際スケート連盟)からは着氷時の回転不足だけでなく、不正な踏み切りのところも見逃さないようにとの指示が出ていると聞いている」と指摘。今大会のジャンプ全体の採点評価を踏まえた上で「宇野選手はトーが(氷に)真っすぐついていない点も評価の対象になっているのでは。トーをついた際に4分の1回転をしてからジャンプの始動に入るので、回転の不備ととらえられているのではないか」と説明した。

 ただ、今大会を制した鍵山は、フリーで2種類の4回転ジャンプを着氷。ジャンプのスピード、幅、高さの全てにおいて高いGOE(出来栄え点)を獲得した。小川氏は「ジャンプ前後のスピードが変わらずに、なおかつ空中での回転姿勢が一本の芯のように真っすぐな点が高評価を得たのでは」と分析。「例えば鍵山選手のジャンプが100点で宇野選手のジャンプが60点の価値だとしたら、60点のジャンプを3本跳んでも、100点のジャンプ2本には及ばないし、ジャンプの差はきっちり評価しないといけない」と強調した。

 次なる課題が浮かび上がった宇野だが「4回転の種類はフリーだったら、3本くらいあれば、そこからは本数よりも完成度だと思っている」と悲観する様子はなし。あくまで「自己満足」の実現へ、新たな境地を追い求めていくようだ。