発言の本気度は――。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯(25日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)、男子フリーが行われ、世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)は186・35点、合計286・55点で銀メダル。12月のGPファイナル(中国・北京)進出を決めた一方で、今後の進退に言及した。

 演技を終え、ミックスゾーンに姿を現した宇野は、率直な胸の内を明かした。この日は4回転ループ、4回転フリップ、3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)などを着氷。「自分が考えてやってきた練習を試合という場で体現できた」と手応えを語った一方で、4本の4回転ジャンプ全てに「q」(4分の1回転不足)がついた。

 今大会は厳しい判定が目立ったとはいえ、宇野は「きっちり降りるジャンプを飛ばなければ、毎回回転不足をとられてしまう」と複雑な心境を吐露。その上で「今からジャンプを改善することは難しい。競技から退くということも全然あるなと思う試合だった」と言葉をつまらせた。

フリーで華麗な滑りを見せた宇野だが…
フリーで華麗な滑りを見せた宇野だが…

 平昌五輪で銀メダル、北京五輪では銅メダルを獲得。昨季のGPファイナルを制するなど、あらゆるタイトルを手にしてきた。しかし、近年はモチベーションの低下に苦しんでいる。自問自答を繰り返す様子は、フィギュア関係者でも話題となっていたという。

 フィギュア関係者は「年齢も年齢だから『1年1年が勝負』って言っていたみたい。もしかしたらのことも、あるかもしれないよ」と証言する。

 実際に宇野は自身の年齢を踏まえ、今季のテーマを「自己満足」に設定。オフシーズンはアイスショーにも積極的に参加するなど、新たな領域を模索してきたが「表現が何なのかというのは、僕にもわかってはいない」と迷いを口にしていた。

 連覇のかかるGPファイナルまでは10日あまり。「次の試合に向けて、自分が頑張れるのか頑張れないのかはわからないが、ジャンプを改善するのではなく、プログラムの完成度として、次の試合に向けても頑張れたら」と語った宇野。今季が最後のシーズンとなってしまうことは、あるのだろうか。