王者がさらなる進化を証明した。フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル初日(7日、中国・北京)の男子ショートプログラム(SP)は、世界選手権2連覇中の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が106・02点で2位につけた。

 2週間前のGPシリーズ第6戦NHK杯のフリーでは、4回転ジャンプがことごとく回転不足と判定された。「競技から退くということも全然ある」と困惑しながらも、自身のジャンプを信じ抜いた。冒頭の4回転フリップ、4回転―3回転の連続トーループを決め、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も着氷させた。全てのジャンプで2点以上加点し、演技後には小さく拳を握って喜びを表現した。

 さすがのパフォーマンスを見せた宇野だが、ジャンプ以上に〝表現力〟を評価する声が上がっている。フィギュア関係者は「NHK杯でジャンプを相次いで減点されても、優勝した鍵山(優真)選手とは1・84点差だった。それは宇野選手の表現力が進化している証拠」と指摘。かねて表現力を磨いてきた中で、総合力は着実に向上している。

 2連覇を目指す9日のフリーは、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を決めて首位のイリア・マリニン(米国)を0・88点差で追う。宇野は「SPの点数は6人全員あってないようなもの。ジャンプが多くなるフリーは20点以上上下する演技構成だと思うので、面白い戦いが見られるのでは」とニヤリ。逆転Vを見据えた。