今季のJリーグで相次いだ〝誤審問題〟に、元日本代表FW武田修宏氏(56=本紙評論家)が緊急提言だ。今季はシーズン終盤に起きたJ1神戸のFW大迫勇也(33)のオフサイド疑惑をはじめ、判定を巡る数々の問題が注目を集めた。武田氏は判定に関する議論が〝タブー視〟されている日本の現状を憂慮。さらに、審判委員会の日本サッカー協会からの独立も提言した。

 今季のJリーグを語る上で欠かせないのが、判定を巡る議論だ。神戸のMF斉藤未月が8月19日の柏戦で2人の選手から危険なタックルを同時に浴びて選手生命を脅かされるほどの重傷を負ったにもかかわらず、ノーファウル判定。浦和のFWブライアン・リンセンは、9月15日の京都戦でペナルティーエリア内で相手に強く引っ張られながらPKはなし。この2件は、後に審判委員会が誤審を認める事態となった。

 また、大迫が11月12日の浦和戦で後半アディショナルタイムにハーフウエーライン付近から無人のゴールへシュートを決めて2―1と勝利したが、オフサイドとの指摘が続出。スポーツ配信大手「DAZN」の「Jリーグジャッジリプレイ」で元国際主審の家本政明氏もオフサイドとの見解を示すなど波紋を呼んだが、審判委員会は当該プレーを捉えたカメラがないことを理由に不問に付し〝グレー決着〟となった。

 他にも疑惑の判定は枚挙にいとまがなく、Jリーグの審判の質が問われるシーズンだった。武田氏は「チーム数が増えて審判も増えることになり、ジャッジする側の質も落ちている」とバッサリ。Jリーグ全体の試合数増加に合わせて審判も増やしていることが、質の低下を招いていると警鐘を鳴らした。

 また「日本は昔から危ない、際どいジャッジは〝隠す文化〟があるかな。怪しいジャッジはスタジアムでもテレビでも、混乱が起きるから流さない。神戸の大迫やJ1昇格プレーオフ決勝のプレー(J2清水のDF高橋祐治のPK献上)などもそう」と指摘。そうした傾向は、海外と比較すると〝異常〟だと感じている。

「強豪国のリーグなど海外では、何度も何度もテレビのスポーツニュースなどで流し、徹底的に討論して議論を呼び起こす。それが審判の質の向上につながる」とし、日本特有の判定問題をタブー視する風潮に疑問を投げかけた。

 そうした体質を改善すべく、武田氏は「審判委員会を(日本サッカー)協会から独立した機関にしたほうがいい。そうじゃないと、なかなか変わらない。独立することで、より開かれた組織になるはずだ」と提言した。武田氏の問題提起がJリーグの判定問題に一石を投じることになるか。